粉瘤は自力で治せるのか
一見すると、塗り薬などで治りそうに見える粉瘤。粉瘤はニキビのように自力で治すことができるのでしょうか。粉瘤が自力で治すことのできる病気なのかどうか、その際のリスクなどについて解説します。
自力で治すことはできない
結論から言うと、粉瘤を自力で治すことはできません。粉瘤の元となるのは皮膚の表面下にある袋組織です。この袋組織を完全に取り除かないと、粉瘤を治すことはできません。袋組織は、自力で切除することは不可能で、手術をして取り除くことが必要となります。
自分で治そうとする行為のリスク
粉瘤を自力で治そうとして、皮膚に傷をつけたりすると様々なリスクがあります。粉瘤の治療は、通常は医療専門家によるものが適切です。もし粉瘤が気になる場合、なるべく早く専門家の診断と指導を受けることが重要です。自己治療は予測できない合併症を引き起こす可能性があり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。無理に自分で取り除こうとせず、病院に相談をして適切な治療を受けましょう。
・細菌感染のリスク
粉瘤を自分で無理に絞り出したり、切ったりすることで、皮膚が傷つき細菌感染のリスクが高まります。
・炎症と悪化の可能性
自分で手を加えることで、炎症が引き起こされ、腫れや痛みが悪化する可能性があります。また、これが再発を促進する原因にもなります。
・組織の損傷
粉瘤はしばしば周囲の組織と密接に関連しています。無理に処理することで、健康な組織が損傷される可能性があります。
・悪性変化の見逃し
粉瘤が悪性に変化している場合、専門家の診断を受けないまま治療しようとすることで、悪性変化を見逃す可能性があります。
・再発のリスク
適切な方法で処理されなかった場合、粉瘤が再発する可能性が高まります。
・出血のリスク
粉瘤を切ったり絞り出したりすることで、出血が発生する可能性があります。
粉瘤は小さいうちに手術するのがおすすめ
粉瘤は自力で治すことができないことがお分かりいただけたと思います。当然ながら、自然治癒することもありません。放置すると、粉瘤が肥大化するリスクや、悪性化するリスク、内容物が出て悪臭を放つ心配があります。そのため、粉瘤は小さい状態でも放置せずに治療するのがおすすめです。小さいうちに適切な処置ができれば、傷跡も小さくすみます。
粉瘤の再発を防ぐ治療方法
ニキビなどと異なり、粉瘤は自然には治りません。残念かもしれませんが、まずはその事実をしっかりと認識することが大切です。病院での診断と治療が一般的に推奨されています。治療法は複数ありますが、今回は特に「くりぬき法」と「切開法」に焦点を当てて解説します。
切開法
切開法は、粉瘤自体を切り取って取り除く手術です。局所麻酔後、粉瘤ができている部分に小さな切開を入れ、中の膿や組織を取り出します。切開法では袋を破らないようにして全摘出するので、成功すれば再発の可能性が少ない点がメリットです。ただし、くりぬき法と比較すると傷跡が目立ちやすいです。
くり抜き法
くりぬき法では、粉瘤の表面に小さな穴を開け、中にある粉瘤の袋の内容物を取り出します。その後、内容物がなくなり小さくなった粉瘤の袋を取り出します。この方法の利点は、穴が小さく目立たないことです。一方で、切開法と比較すると再発の可能性が上がることがデメリットです。
配信: Medical DOC