ジャニーズ事務所の故・ジャニー喜多川氏による性加害問題の被害補償をめぐり、「SMILE―UP.(スマイルアップ)」社(旧ジャニーズ事務所)が被害者の一人である石丸志門さん(57)に対して、損害賠償として1800万円を超える額を支払う義務がないことを確認するために起こした裁判の第1回口頭弁論が12月20日、さいたま地裁であった。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
●妥結案として「1億8000万円」提示
石丸さんはこれまで約18億円の補償を求めてきたが、1800万円の補償額を提示するスマイルアップ社との交渉が折り合わなかった。
今回の裁判にあたって、石丸さんは「両方の額の中間」を一つの基準として示した上で約1億8000万円の補償額を求めたという。
この日、代理人弁護士を付けずに裁判に臨んだ石丸さんは法廷で「スマイルアップ社に余剰金が莫大にある中で、今の1800万円は受け入れられません」と訴えた。
石丸さんが自らの思いを述べた後は、裁判官やスマイルアップ社の代理人らとともに別室に移動し、非公開の場で次回の期日などについて協議したという。
終了後に報道陣の取材に応じた石丸さんは次のように述べた。
「発言する機会をいただけたので、非常にありがたかった。事務的なことを終えて、ほっとしています。今日の裁判は私個人の裁判というよりも、被害を受けた全ての方々に対する裁判でありたいと思っている」
●「誹謗中傷にさらされ命の危険すらある現状で18億が高い?」
石丸さんが法廷で話した内容の全文は以下の通り。
スマイルアップ社の第51期(2024年6月期)決算は、最終利益124億800万円だった。
また、企業活動で得た利益のうち分配しないで社内で積み立てた金額を示す利益剰余金は2639億4600万円、自己株式は1321億1500万円だった。(日刊工業新聞8月27日掲載8月6日付)
元当事者の会のメンバーがアメリカで5000万ドル、約75億円の訴訟を起こしました。
世界規模で考えた上での希望額でしょう。
法を超えた補償をするこの事件に日本も世界も関係ありません。
その上で、私の18億は高いですか?
国連でも英語で陳情し、アメリカ大使館でも英語で陳情し、国会へも何度も通い、ついには予算委員会でも衆議院本会議でもジャニーズ問題を議事録に残る形で問題提起させ、日々取材や会見に赴き、無慈悲な誹謗中傷にさらされ命の危険すらある現状で18億請求するのが高いと言えますか?
そもそも原告はスマイルアップであり、スマイルアップがこだわっている救済委員会ではありません。
金額を決めるのが救済委員会だと言うのなら救済委員会が訴訟を起こすべきであり、スマイルアップが訴訟を起こしたのであればスマイルアップが主体的に金額を決めるのが筋のはずです。
そもそも法的拘束力があるわけでもない救済委員会に諮らないといけない訳でもなく、スマイルアップが勝手に決めたルールです。
しかも、救済委員会は補償には予算があるから希望額は出せないと言いましたが、蓋を開けてみるとその予算は100億程度で8月の決算公告で出た124億の利益と大差ありません。
そもそもスマイルアップは補償救済に特化した会社と言いながら、100億もの利益を出しているのは会見で言っていたことと齟齬があるのではありませんか?
体制の構築が完了するまで代行していたと言うのであれば会見でもそう言うべきでした。
それを言わずに、あたかも補償救済しかしないと印象付けたのは卑怯と言わざるを得ません。
2639億4600万円の利益余剰金があるのであれば、2000億くらいは支払い対象者の750人に均等分配すべきではないでしょうか。
それでも640億近く余るのです。
今後の必要経費などとしては十分すぎる額でしょう。
それを実行すれば単純に一人平均2億7000万弱となります。
私の1800万円が高いとクレームが来ているということは、他の被害者がそれより低い金額で締結され、その金額に不満を持っているからに他なりません。
2000億を分配していればそんなクレームが来ることはなかったでしょう。
この事件は過去世界に類がなく比較対象となる判例は世界のどこにもありません。
だからこそ原告は法を超えた補償救済をすると明言したのです。
原告は利益追求企業ではなく廃業する企業です 2639億円も今持っていて余ったお金はどうしようというのでしょうか。
幹部で山分けですか?
余らせないで全て被害者に分配するのが筋ではありませんか?
それなら公平性も保たれると思いますが、何か不都合ありますか?
スマイルアップと救済委員会は別組織だと言いますが、それならなぜスマイルアップの予算に縛られた算定しか出来ないのですか?
関係ないのなら、言われた予算にとらわれず保有資産を原資に法を超えて過去の世界の事例も超えて支払うべきではありませんか?
すでに支払いが済んだ人にも追加で支払えば済む話です。
何も難しいことはありません。
公平性にそこまでこだわるなら余剰金を均等分配すれば被害者からは文句が出ないと思いますが、違いますか?
余剰金を分配できない合理的理由はありますか?
法を超えた救済をするのだから金額の高低は問題になりません。
余剰金を全て使った上で被害の深刻さなどを考慮するのは構わないと思います。
ともかく余剰金が莫大にある中で今の1800万円は受け入れられません。
これらを踏まえた上で私は希望額の十分の一、原告は十倍の1億8000万円で手を打つと言っているんです。
むしろ安いと思いませんか。
配信: 弁護士ドットコム