すべり症の治療法
編集部
すべり症はどのようにして治療するのですか?
須藤先生
症状が軽度なうちは、まず保存療法が選択されます。コルセットなどを装着して腰の負担を軽減するほか、消炎鎮痛剤やブロック注射などにより、痛みなどの改善を図ります。またストレッチや筋力強化などの運動療法も取り入れます。
編集部
それでも症状が改善しない場合は?
須藤先生
生活に大きな支障が生じたり、神経症状が見られたりする場合には手術が検討されます。代表的な術式に、脊柱管の狭くなった場所を広くし、神経の圧迫を取り除く腰椎除圧術があります。そのほか、腰椎の不安定性が大きい場合はすべっている椎体と椎体の間にインプラントを挿入することですべりを改善する、腰椎固定術を行うこともあります。
編集部
治療をスムーズに進めるには、早めに検査を受けることが必要ですね。
須藤先生
はい。特に若年層にも起こりうる腰椎分離すべり症は「まだ若いから」という理由で放置されがちです。しかし、放置しても自然治癒することはありません。若い頃に一生懸命スポーツをしていたという人で、30代や40代になって腰痛に悩まされるようになった人は、ぜひ早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
須藤先生
整形外科専門医を受診することに抵抗のある患者さんもいらっしゃいますが腰痛、足のしびれ、痛みがある場合は不安を取り除くためにもぜひ一度受診していただくことをお勧めします。お困りのことがあれば、ぜひ専門医にご相談ください。
編集部まとめ
「すべり症」と一口にいっても病態は幅広く、症状も人によって異なります。腰痛を我慢していると他の部位にも支障が生じたり、なかなか治りづらくなったりしますから、一度専門医の診察を受けてみてはどうでしょうか。
配信: Medical DOC