健康診断で赤血球が多いと言われたらどうすべき?Medical DOC監修医が血液検査の見方や基準値・主な原因と病気のリスク・対処法などを解説します。
≫「血液検査」で何がわかる?検査でわかる病気や項目について医師が徹底解説!
※この記事はMedical DOCにて『健康診断で「赤血球が多い」と診断される原因はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。
健康診断・血液検査の「赤血球が多い」ときに気をつけたい病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「赤血球が多い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
多血症(赤血球増多症)
多血症とは、血液中の赤血球数、Hb濃度、Ht値が正常より高い状態を指します。
多血症は絶対的赤血球増多症と相対的赤血球増多症に分かれます。
絶対的赤血球増多症の原因は、慢性骨髄増殖性疾患に分類される真性多血症と、他の疾患のために生じる二次性の赤血球増多症があります。
相対的赤血球増多症では、脱水や下痢、嘔吐など急激な水分の喪失によって血液中の水分が減少するため、相対的に血球成分の濃度が上昇し、本来の血球数は変わっていなくても増加しているように見える状態です。
一方、絶対的赤血球増多症では血球の絶対数が増加しています。
特徴的な症状は、顔面が紅くなる、高血圧、頭痛、めまい、入浴後のかゆみといったものがあります。ただし無症状で全く気づかず、健康診断でたまたま指摘される場合もあります。
まず他の疾患による二次性赤血球増多症の場合では、元の病気に対しての治療を行います。そして真性多血症では、瀉血(しゃけつ)といって血を抜いて、体内の血液量を減らす治療法もあります。血液はあまりにも濃度が濃いと粘稠度が高くなり(ドロドロになり)固まりやすくなるため、血栓症予防を目的に行います。
受診すべき専門科は血液内科です。
緊急性の高い状態ではありませんが、手足が麻痺する、呂律が回らないといった、脳卒中を疑うような症状や、胸の痛み・息苦しさなどの狭心症を疑う症状が見られた際は、すでに血栓症を起こしている可能性があります。その際はすぐに救急外来を受診しましょう。
「赤血球が多い」ときの正しい対処法・改善法は?
ご自身でできる対応は限られていますが以下に列挙します。
水分を多く摂取する
禁煙する
高強度のトレーニングは控える
鉄分を摂取する
これらの行動は日常生活の中でも実施可能かと思います。ただし、これで解決するわけではありません。しっかりと検査を受け、赤血球数を含めた検査データの推移を把握し、必要に応じて精査を行うことが重要です。
配信: Medical DOC