息子が3歳、娘が1歳のときの話です。当時、外出するときには、ベビーカーに娘を乗せ、息子と手をつないで歩いていました。普段は何気なく歩いていた道だったのですが、あるとき恐ろしいことに気づいてしまって……。
絶対にこの手は離せない!
外出中、息子がベビーカーを押したがるので、安全な道では私は手を添えるだけにして、息子に押してもらうこともしばしば。当時、イヤイヤ期真っ盛りだった息子は、私が手を添えるのもいやがりましたが、だましだまし危険がないように一緒に押すようにしていました。
そんな私たちが暮らしていた町には、たくさんの急な坂がありました。たまに行くドラッグストアは急な坂を下りたところにあります。
ある日、ドラッグストアに用事がありその坂を下りようとしたところで、急に息子が「ベビーカーを押したい」とグズグズ。いつものことだと思った私は、息子にベビーカーを押してもらい、私が手を添えるスタイルにしようと思ったものの、ふとある考えが頭をよぎり、体中の血の気が引きました。
これまでなんとも思っていなかったのですが、万が一この坂道でベビーカーが手から離れてしまったら、とんでもない速さでベビーカーは坂を下っていくことでしょう。タイミング悪く、下の道に車が通ったら……。急にそんな恐怖に苛まれてしまったのです。
そんな想像をしてしまったら、息子に任せることなどできません。危ないからと息子に伝え、坂は私がベビーカーを押してくだりました
それから先も坂に差し掛かると、万が一手を離してしまったときの恐怖が頭をよぎります。ベビーカーをにぎる手に、一層力が入るようになったのでした。
著者:西島菜子/20代女性・主婦
イヤイヤ期の3歳男児、まだまだ天使のような1歳女児を育てる母。子どもとの公園が日課。
作画:赤身まぐろ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年11月)
配信: ベビーカレンダー(パパママ)
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