「それじゃ半分こにしようよ」母の預金を勝手に分けようとする父に、あ然 #母の認知症介護日記 145

「それじゃ半分こにしようよ」母の預金を勝手に分けようとする父に、あ然 #母の認知症介護日記 145

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。

母・あーちゃんの財産を狙う父から守るため、ワフウフさん姉妹は後見人(認知症などにより判断能力がない人の財産管理や生活の維持のため、家庭裁判所によって選任される人)の申し立てをすると決めて書類を準備中。医師からの診断書も必要なため、認知症の病院でお世話になっている先生にお願いしました。しかし、先生から今のあーちゃんの状態だと、後見人よりも財産管理の権限が限られる「保佐人」が妥当だと言われてしまったのです。保佐人は後見人より財産管理の権限が限られるため、あーちゃんが自分で預金を持ったままの状態で父にわが物顔で使われてしまう可能性もあり、ワフウフさん姉妹の希望とは違ってきます。父は相変わらず、なんとか通帳を再発行しようと奔走しているようで、その執着ぶりにはワフウフさん姉妹もドン引きです。

父VS姉。激闘の記録

認知症の病院に行った帰り、ワフウフさん姉妹は地域包括支援センターへ現状の相談をしに行きました。これまで、あーちゃんの認知症が父に知られたら、きっと父はあーちゃんの通帳を取り上げるだろうと思い介護認定を受けずにきていましたが、あーちゃんが明らかに認知症だとわかるようになってきたため、もう父のことは気にせずに介護認定を受けることに。その場で申し込みを終えました。あーちゃんは、ちゃんと薬は飲めていると言って薬剤師さんの訪問を断固拒否していましたが、先日家をチェックして、薬が飲めていないのは明らか……。薬の管理をするための訪問だけは、早めにお願いしようと思っています。

父と姉のバトルは、すさまじい言い合いとなりました。父は自分ばかり貧乏になっていくからという信じられない理由で、あーちゃんへ年金を渡さないと言ってきました。それでも、今まで通り光熱費や税金は半分請求するというので、認知症でよくわからなくなっているあーちゃんではなく、姉に言うようにお願いしました。

しかし、都合の悪いことは聞こえない耳になっているようで、話は平行線……。

結局、このままではらちが明かないので、姉は専門家に相談すると言って話を打ち切りました。

一連の発言の中で、私たちが心底驚いたのがこれ。姉が、あーちゃんから頼まれて預金を管理していると言ったときのことです。なんで半分こ? あーちゃんのお金はあーちゃんが使うのが当然なのに……。

あーちゃんは、バトルの内容を理解しきれなかったようですが、なんとなく不穏な雰囲気を感じ取っていたようです。

あーちゃんの前でバトルを繰り広げ、影響が出ないか心配しましたが、後日あーちゃんに会うと、なぜか覚醒したかのようにシャキっとしていました。

しかし、父の悪意を感じ取っていたのか、病院で鉢合わせしたときには、姉の体の影に隠れてしまったそう……。

姉・なーにゃんが「再発行した通帳は、私が持っている」と言ったことがきっかけで、父VS姉のバトルがぼっ発。姉がボイスレコーダーで記録していたやりとりを聞くと、父の主張は「あーちゃんのほうがお金を持っている。年金を生活費として渡すと、僕だけ貧乏になっていく。預金を渡さないなら、今後は年金を渡さない」というもの。しかし、父は会社員時代の給与からへそくりを作っていたことを知っている姉は、そこも突っ込んで闘ってくれました。しかし父は「昔のことを言うのではなく、今の状態で話さなければ話が進まない」と一蹴。つまり、使っちゃったもの勝ち。そんなのおかしい!

さらに、今後生活費として年金を渡さないのに、光熱費や税金は今まで通り半額をあーちゃんに請求するつもりらしい父。話は平行線で、落としどころが見つからないので「専門の人に相談する」と姉が話を打ち切りました。父も「こうなったら実力行使だ!」と反論していましたが、実力行使ってどういうこと……??

バトル中の父の発言で心底驚いたのが、姉が「あーちゃんから頼まれて預金を預かっているから渡せない」と言ったのに対して「それじゃあ半分こにしようよ」と言い放ったこと。なぜ父がそれを決めるの?? と、私たちはイライラ……。あーちゃんは会話の内容こそわかっていなかったようですが、ただならぬ雰囲気は感じ取っていた模様。その証拠に、おそらく診察券を再発行するために病院にやって来た父と鉢合わせしたとき、そっと姉の体の影に隠れたみたいです。それがいじらしくてかわいそうで、やりきれない気持ちになりました……。

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あーちゃんが働いて得たお金は、紛れもなくあーちゃんのお金なので、他の誰かが許可なく手をつけていいわけがありません。もし、今の状態でワフウフさん姉妹が認知症に気付いていなかったとしたら、どうなっていたのかと思うとゾッとしますね……。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者/ワフウフ
昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。
2023年4月、書籍「アルツフルデイズ 笑いと涙の認知症介護」発売。

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