男性が座って排尿する5つのメリット
実験結果の尿の飛び散り状況を見たら、問答無用で座ってしてほしいところですが、実は衛生面以外でも男性が「座って排尿するメリット」はたくさんあるのだそう。
1)⽴つ姿勢より残尿が減る
「座って排尿すると、残尿が減るのはメリットのひとつです。海外の研究では、50歳を超える男性は、座って排尿するほうが残尿量が少ないという報告があります。
また、下部尿路症状(膀胱に尿を溜めたり、尿を排出したりする⾏為が円滑にできない症状)のある男性では、⽴って排尿するよりも座るほうが、残尿が約25mL少ないという研究結果もあります。
残尿感は40代頃から表れやすい傾向がありますが、年代や症状によっては、座って排尿するほうがいいと考えられるでしょう。」
――これは意外! 自分は女性なので実体験はできないのですが、なんとなく立ってした方がスッキリするのかなと思っていました。これって、立ってする派の男性自身も気づいてない場合があるのでは? 家族に座ってするように促すための大きな理由になりそうです。
2)追っかけモレ(排尿後尿滴下)が起こりにくい
「男性は座って排尿したほうが、追っかけモレ(排尿後尿滴下)が起こりにくくなります。追っかけモレとは、尿道内に残ったわずかな尿が、トイレ後しばらくしてからジワジワとモレ出てくる症状です。体の構造的に、座って排尿するほうが尿道内に尿が残りにくいため、追っかけモレを軽減できます」
――尿道内に尿が残って後から漏れ出てくるという「追っかけモレ」。男性の体の構造的にも、排尿後にトイレットペーパーを使って残った尿を出すといいのですね。
3)トイレ内に尿が⾶び散らない
「男性が⽴って排尿すると、便器から跳ね返った尿がトイレ内に⾶び散る可能性があります。⼀度の排尿では汚れが気にならないかもしれませんが、これが繰り返されると、トイレの汚れがどんどん蓄積されていき、衛⽣的ではありません」
――こちらは上記の実験にもあった通り。みんなで使うスペースだからこそ、家族にもしっかり周知したいところです!
いつも憂鬱なトイレ掃除… / runa / PIXTA(ピクスタ)
4)尿ハネで服や靴が汚れない
「⽴って排尿すると、尿が跳ねて便器まわりだけでなく、ズボンの裾や靴なども汚れる可能性があります。1回のトイレで⾶び散る尿の量は少なくても、1⽇に何度も排尿を繰り返せば、気づかないうちにズボンや靴を汚してしまうかもしれません。
服や靴にかかった尿は悪臭の原因にもなるため、気になる⼈は座って排尿することをおすすめします」
――確かに、床に大量に尿が飛び散っているということは、履いているズボンにも当然かかっているわけで…。家族の衣服を一緒に洗濯することも考えると、やっぱり大きなデメリットですね。
5)お掃除が楽になり、ニオイ予防にもつながる
「お掃除が楽になる上、トイレ内のニオイを予防できることも、座って排尿するメリットです。前述の実験のように、⽴って排尿すると便器の内外に尿が⾶び散り、お掃除の⼿間が増えてしまいます。また、排尿直後はほとんどニオイがなくても、⾶び散った尿を放置すると雑菌が繁殖して、トイレの悪臭の原因となります。
さらに、便器や壁に付着した尿の成分が蓄積・濃縮されて⽯のように固くなる(尿⽯化)と、⾒た⽬が悪いだけでなく、こすっても落ちにくいのでお掃除がいっそう⼤変になるでしょう。尿ハネは床や壁紙、便器のフチ裏などにもつくため、広範囲のこまめなお掃除が必要です」
――お掃除が楽になるのはもちろんですが、⾶び散った尿を放置すると雑菌が繁殖して、嫌な臭いの原因にもなるのですね。しかも尿ハネは便器や床だけでなく壁紙にまで…! 掃除の手が行き届きにくいところだからこそ、日頃の使い方で「できるだけ汚さない」を徹底していきたいものです。
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座って排尿するだけで、衛生面でも快適さにおいてもたくさんのメリットがあることがわかりました。これはもう、「自宅では座ってする」以外の選択肢はないのでは…? この実験結果を踏まえて、すぐにでも家族会議を開きたいと思います!
監修:窪⽥ 徹⽮ 先⽣(泌尿器科専⾨医)
くぼたクリニック松⼾五⾹ 院⻑ ⽇本泌尿器科学会 専⾨医 指導医
獨協医科⼤学卒。千葉⻄総合病院 泌尿器科部⻑などを経て、2017年にくぼたクリニック松⼾五⾹を開業。頻尿、尿モレ、EDの専⾨家として、年間約2万5,000⼈を診察している。
文=レタスクラブ編集部Y
配信: レタスクラブ
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