【わたしの宝物】田中圭“宏樹”と【光る君へ】佐々木蔵之介“宣孝” 2人の「サレ夫」から考える「どちらの托卵妻が幸福か」

 12月19日に最終回を迎えた「わたしの宝物」(フジテレビ系)は、ドラマスタート前から予想されていた「元サヤエンド」となった。妻である美羽(松本若菜)の不倫相手で栞の実の父親である冬月(深澤辰哉)から、「オレには幸せにしたい子どもたちがいます。あなたはどうですか?」などと上から目線でとんでもない質問を投げかけられても、「なんだテメェ!」と殴ることなく、美羽と離婚せずに栞の父親になる=托卵を受け入れると決めた宏樹(田中圭)は、間違いなくこのドラマの“ヒロイン”だったと言えるだろう。

 しかしドラマ前半で、宏樹は仕事のストレスが理由でモラハラ夫になっていたことを覚えているだろうか。そんなモラハラ夫だったのに、生まれたばかりの栞を抱き上げた途端、あふれ出る父性から子煩悩な良いパパへと大変身したことを思い出してほしい。つまり宏樹はストレス耐性が低く、また何かストレスに遭遇したらモラハラ夫に逆戻りする可能性が高い、ということではなかろうか。

「いつか栞に実の父親のことを話さなきゃいけない時が来たらさ、俺も一緒に話したい…!」と泣きながら美羽に訴える宏樹を見ながら、「美羽にホレた弱み」と「栞から離れられない執着心」を感じずにはいられなかった。

 今期はこの「わたしの宝物」だけでなく、15日に最終回が放送されたNHK大河ドラマ「光る君へ」でも、まひろ(吉高由里子)が道長(柄本佑)との間にできた賢子(南沙良)を宣孝(佐々木蔵之介)の娘として育てる=托卵することを受け入れられていたことはご存知だろうか。道長との子どもを宿したことに気付いたまひろが、宣孝に別れを切り出すと、宣孝は「そなたの産む子は誰の子でもわしの子だ。一緒に育てよう」と懐の深い名言を発し、スーパーダーリン認定されていたことは記憶に新しい。

 佐々木演じる宣孝は、まひろのほかにも妻や妾(しょう)がいたし、いざとなればまひろの不倫相手である当時の最高権力者・道長を、自分の出世のために「使える」と計算していたのかもしれないから、田中演じる宏樹と同じ「サレ夫」でも、心に余裕が感じられる「サレ夫」だった。

 松本演じる美羽も、吉高演じるまひろも、身勝手な托卵をしゃあしゃあと夫にカミングアウトして受け入れられていたのだから、いい気なもんだと思う。しかしどちらの妻がより幸せかと考えてみると、愛情深くホレられているがゆえに、モラハラに転じてしまう恐怖に怯えなければいけない宏樹の妻=美羽より、薄情なところはあるけれど、生活費はきちんとくれる宣孝の妻=まひろのほうが、のほほんと幸せに暮らせそうでいいなぁ。

(森山いま)

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