寒い冬の夜、安眠できるように寝具を温めていたわが家。しかし、その温かさの中に潜む危険性を、私たち家族は痛感することになりました。5歳の息子を襲ったヒヤリ・ハットな出来事とは……!?
悲痛な叫びとともに目を覚ました息子
冬の夜は、湯たんぽを愛用していたわが家。プラスチックの湯たんぽにお湯を入れ、足元に置いて暖を取っていました。私が寝るときは布団の外に蹴飛ばして、直接体に当たらないよう工夫していました。
ある日の夜、いつものように夫と当時5歳の息子が同じ布団で寝ていました。しかし朝になると、息子が「痛い痛い! 足が痛い!!」と泣きながら目を覚ましたのです。私が驚いて駆け寄ると、すねあたりが痛いと言いました。
私は夫の足が息子の足に乗ってしびれたのかと思いましたが、様子が違います。そして息子のパジャマをめくると、すね部分が赤く熱を持っていたのです。
低温やけどの恐ろしさ
まさかと思って布団をめくると、転がった湯たんぽが。その日の夜、夫と息子は2人並んで寝ていましたが、夫は湯たんぽを布団から出すことなくそのまま就寝。そして夫はねぼけて湯たんぽを蹴飛ばし、それが息子のすねに直接当たってしまったようでした。
湯たんぽを触るとぬるく、まったくやけどしそうにない温度。しかし、それがじわじわ息子のすねに当たり続け、低温やけどを起こしてしまっていたのです。
私は息子を連れてすぐに皮膚科を受診。幸い、やけどの程度は軽く、塗り薬を処方されて終わりました。それでも、低温やけどをしてからの数日は、歩くにも痛みを訴え、とてもつらそうでした。低温やけどの事故があってから、家では湯たんぽを使うことはやめ、電気毛布を使用するようにしました。そして、寝るときは必ず電源はオフにしています。
◇ ◇ ◇
湯たんぽのほかにも、床暖房やホットカーペット、こたつ、電気毛布、ホッカイロなど、冬に活躍する暖房器具や防寒グッズは、長時間皮膚に当てたり、使用中に寝てしまったりすると、低温やけどを引き起こすおそれがあります。特に乳幼児は皮膚が薄く、やけどが重症化しやすいため注意が必要です。
暖房器具や防寒グッズを使用する際は、必ず説明書を確認し、正しい使用方法・使用時間を守りましょう。また、暖房器具の電源を入れたまま就寝しないように注意し、寝具を温める場合は寝る前に必ず電源を切るか、寝具から取り出すようにしてください。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:新谷けご/40代女性。2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日です。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
監修者・著者:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
配信: ベビーカレンダー(ライフ)
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