国からの支援
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美術は国にとっても重要な文化資産として存在しています。そして日本にもその文化を取り扱う「文化庁」が存在しており、国の国家予算にこの文化に対する費用が割り当てられています。
今年2024年は防衛費が6兆7880億円と過去最大であったことが話題にも上りました。そして文部科学省所管の一般会計予算は5兆2941億円。このうち、文化芸術に関わる文化庁の予算は1076億円でした。一般会計予算全体のわずか0.1%です。
この内訳はさらに見ると、ほとんどの額は文化財の保護や修繕などに充てられていて、現代美術の分野にはわずかな額面しか回っていないことが分かります。
「新進芸術家の海外研修」「未来のトップアーティスト等の国際的活動支援事業」「我が国のアートのグローバル展開推進事業」などの項目がありますが、どれも1億円から2億円ほどの額しか割り当てがありません。
さてこの1076億円、そして一般会計予算の0.1%という数字がどのくらいなのか、皆さんご存じでしょうか。
世界的に見て日本の予算金0.1%というのはとてもとても低い数字です。アメリカの国家予算も大きくはありませんが、実はアメリカは寄付金の額がとてつもない額になっていて、毎年20兆円を超すような寄付金があります。文化への寄付金だけを見ても1兆円は超えるようです。(参照:欧米と日本を隔てる「芸術文化」…国家予算の差は歴然!?)
注目すべきは韓国。ご存じの方も多いと思いますが、日本と比較して人口は半数以下、面積は4分の1、名目GDPも2倍以上の差がある韓国は、文化予算を日本に対して額面にして3倍以上、国家予算割合で見れば11倍の差があります。
ソウルは特に世界中のアートマーケットからも注目度は上がり、国内で有名なアートフェア「Kiaf Soul」を筆頭に、ArtBaselと並ぶUK発のアートフェア「Frieze」は「Frieze Soul」を2022年からスタートさせました。ギャラリーの数も増え、世界中からソウルに足を運ぶアートコレクターが年々増加しています。
「お金」で回る「アート」の世界?
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ここまでアートにまつわるお金の話をしてきました。数万円から数百億円まで、美術作品というのはプライマリーとセカンダリーによっても、値段は様々ではあります。
もちろん通貨市場、資本主義の性質上、作品の価値は値段に置き換わりやすいのは事実です。ですが作品の価値というのは必ずしも値段で決まるものではありません。
つい国単位や大きな額面で見てしまうことが多いですが、何よりも大切なことはみなさんが美術に、アートにどれくらい興味を持っているのかということだと思います。そしてその価値を理解して、お金を出すということでアーティストは支えられています。
ぜひ作品を観に、美術館やギャラリーに足を運んでみてください。そして最初のスタートは数千円でも、数万円の作品でも良いので、身近な作家の作品をぜひ購入してみてください。少しずつアートマーケットがそうして盛り上がることで、結果的には国家予算へと大きな話に繋がっていきます。
日本のアートシーンが世界で注目されるようになりますように!
配信: イロハニアート