がんばってケアしてもなかなか治らない。
ボリューム感や血色アップなど、しっかりした効果実感が欲しい。
このような悩みがある方は、クリニックで相談することで解決できるのでしょうか?
今回は、APOLLO BEAUTY CLINIC院長の鬼沢正道先生にお話を伺いました。
クリニックで行えるリップケアについて
筆者は原宿で美容クリニックを経営しており、患者さんから唇についてのお悩みも多くいただいております。
主なお悩みとしては
・唇のボリュームをアップしたい
・唇の形を変えたい
・唇の皺を改善したい
・唇の荒れを改善したい
などが多い印象です。
●唇のボリュームアップ
まず唇のボリュームアップに関しては、ヒアルロン酸注入が最も一般的です。
唇の硬さに合わせたヒアルロン酸を選定し、患者さんの好みの厚さ、形に合わせて注入します。
所要時間は5分程度で、大きく印象が変わるため人気の施術です。
注入量によっては、唇の小皺の改善にも寄与します。
●唇の荒れ
唇の荒れに関しては、軟膏や抗菌薬の処方となることが多いと思います。
場合によってはピーリング・古い角層の吸引・美容液導入などのケアがおすすめされることもあるでしょう。
●唇の形を変えたい
リップリフトと呼ばれる手術(人中短縮術による上口唇引き上げ術)や口唇形成術といった外科手術もあります。
所要時間は30~60分程度で、局所麻酔でも施術が可能です。
こちらはダウンタイムや傷跡を伴う施術であり、抜糸の必要もあるため、もしご検討されている方は担当医師としっかり話し合い、ご自身に適応があるかどうかも含め、慎重にご判断されるのが良いかと存じます。
流行のアートメイクってどういうもの?
近年、アートメイクが隆盛を迎え、眉や唇にアートメイクを施術する方が増えています。
アートメイクとは、眉、アイライン、リップなどの皮膚の、表面からごく浅い層に針を用いて色素を着色させていく施術です。
そのため、汗や水で落ちることがなく、個人差はありますが、2回程度の施術で、1~3年程度色素が定着します。
価格帯としては、2回セットで15万円前後で行っている医院が多いようです。
唇アートメイクは化粧が楽になったり、唇に何も塗らなくても血色が良く見えるなど、さまざまなメリットがあります。
コロナ禍でマスク着用が当たり前になった生活環境で口紅やグロスが色移りしないといったこともあり、唇アートメイクは一段と注目されました。
アートメイクはお勧めできる?
しかし唇アートメイクに関しては、さまざまなトラブルも耳にします。
具体的なトラブルとしては
・デザインや色が思い通りにならない
・色ムラが生じてしまう
などの仕上がりに関するものや、唇が荒れたり、口唇ヘルペスができたりするなど唇のトラブルに関するものも散見されます。
これらは施術を受ける側の体質やダウンタイム中の過ごし方にも関係しますが、施術する側の技術も大いに関わってきます。
近年はアートメイクの価格競争が激しく、より安価に施術を受けられるようになっていますが、そもそもアートメイクは医療行為です。
アートメイクは現時点では「医師の監督下の元、看護師が」おこなっている施術の一つですが、これらを正しく監督できているクリニックが果たしてどれくらいあるのかというのも疑問です。
筆者個人の意見としては、アートメイクはとても素晴らしい技術だと思っています。
しかし、アートメイクを受ける前に施術者や施術を受ける施設についてしっかりと事前情報を確認しておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるため、施術を受けたいと考えている方は、事前にしっかり情報を集めておくことが大切です。
セルフケアに限界を感じたら、クリニックへのご相談もおすすめです。
クリニックで行うケアには、保険診療で行うものと自費診療となるものがあります。
自分の理想の唇をしっかり伝え、施術やその効果・費用などにつき医師に確認および相談した上で治療方針を決め、ご自身が納得してから受けるようにしましょう。
[執筆者]
鬼沢正道(おにざわ まさみち)先生
医師
1984年9月19日生
茨城県出身
経歴
2012年 日本大学医学部を卒業
同年 慶應義塾大学病院にて初期臨床研修を行う
2014年 慶應義塾大学整形外科学教室に入職
2016年 大手美容外科クリニックに勤務
2020年 APOLLO BEAUTY CLINICを開業
2023年 医療法人社団賢叡会設立、同法人理事長に就任
現在に至る
APOLLO BEAUTY CLINIC
配信: キレイ研究室
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