イカつい男が「シャアッ」と雄叫びをあげるシーンからスタートするこの作品は、“ほのぼの漫画”である。決して任侠ものでもツッパリヤンキー漫画でもない。作者本人が作品の概要欄で「注意:ほのぼの漫画です」と真っ先に断言するほど、この漫画は紛れもなく“ほのぼの漫画”なのである。
第1話のタイトルは「縄張り」。ツートンカラーの長髪を後ろで結んだイカつい男が、コワ面の男とすれ違いざまに肩がぶつかった。一触即発の雰囲気だ。そこで長髪の男は「シャアッ」と雄叫びをあげる。男が一声あげれば、大抵の者は逃げ去っていくのだった。
たまに、そんな男の長髪を“なでなで”してくる怖いもの知らずもいたりする。この長髪の男の正体とは…!?察しのいい人はもうおわかりだろう!かわいい猫の世界をヤクザ風に描いたこの漫画は、作者の言うとおり、本当に“ほのぼの”しているのか…?ぜひその目で読んで確かめてみよう。
本作の作者は須藤パニャ(@d_pa_nyanta)さん。「チェンジ」という作品で第5回角川漫画新人大賞に入選し、2012年にヤングエース(KADOKAWA)に掲載されてデビューを果たした漫画家である。近年は、「オー・マイ・バトラー!」を2020年から2022年にかけて「ふらっとヒーローズ」(ヒーローズ)で連載。今年2024年は「人見知りランニング」を執筆し、現在「Renta」などで全12話が公開されている。本作「猫の道は極みの道なり」は、「ふらっとヒーローズ」(ヒーローズ)にて2019年から2020年にかけて連載されていた作品である。本作について須藤パニャさんに詳しく話を聞いてみた。
――本作「猫の道は極みの道なり」の中で、最も力を入れて描いたシーンや著者ならではのこだわりを教えていただけますか?
出だしの「シャアッ」と言っている顔は一番力をいれて描いたシーンなのでぜひ見てほしいです。こだわったのは、猫の毛並みです。ふわふわとした猫の毛を丁寧に描きました。
――本作は「コミプレ」(ヒーローズ)の「ふらっとヒーローズ」で連載されていた作品なんですよね?
はい。連載は2020年にすでに終了しておりますが、読みやすいように1冊だけ単行本化しております。猫の“あるある”を、ヤクザ(※見た目はヤクザだけど実は…?)たちがおもしろおかしく展開しており、ときに親分(飼い主?)とのほっこりエピソードなども盛り込んでます。
――今後の新作のご予定がありましたら教えてください。
現在は新作の予定はありません。ですがこれからも執筆を続けていきますので、今後も須藤パニャをよろしくお願いいたします。
須藤パニャさんのSNSには過去作の「チェンジ」や「勇者なんかクソくらえ!」もアップされている。本作と併せて過去作も読みながら、新作を待ち望むとしよう。
取材協力:須藤パニャ(@d_pa_nyanta)
配信: Walkerplus
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