サウンド・アーティストevalaが手掛ける“耳で視る”アート企画展「evala 現われる場 消滅する像」

サウンド・アーティストevalaが手掛ける“耳で視る”アート企画展「evala 現われる場 消滅する像」

独自の音響空間を創出する音楽家、サウンド・アーティストであるevalaさんが、2017年から現在まで展開しているプロジェクトが「See by Your Ears」。ほぼ音のみを中心とし、抑制された視覚情報の中で、鑑賞者の想像力を喚起する作品を作り出す。2024年12月14日~2025年3月9日(日)まで「evala 現われる場 消滅する像」が開催される。

企画展「evala 現われる場 消滅する像」の《Sprout “fizz”》

■耳で視ることで想像力がかき立てられる

音楽家、サウンド・アーティストであるevalaさん

サウンド・アートは、1980年代に広がった音を主体として表現するアートのことで、表現方法は多岐にわたる。“音楽”とは異なり、音そのものが主題となり、音から感じる空気感や世界観を感じるアート。evalaさんが手掛ける作品は鑑賞者によって受け取り方や解釈が異なる。

NTTインターコミュニケーション・センターICCで開催されている企画展

「同じ作品でも人によって異なる感想を持ってくれます。例えば盲目の方にとっては、音は何らかのリスクと共にあるものだが、私の作品は情報ではない音を楽しむことができたと感想をいただいたことがありました」とevalaさん。

会場内の資料展示Archiveエリア

そんな、受け取る人それぞれの想像力や経験などによって見えてくるものが変わる作品に触れることができる今回の企画展。「例えば眠っているときに見る夢。目を閉じた状態で見るものですが、とてもリアルに見えたり、感じたりします。今回の作品でも耳でしか視られない世界を感じて欲しい」とevalaさん。

evala《Inter-Scape “slit”》2024年 / 撮影:冨田了平

evala《ebb tide》 2024年 / Photo: Yutaro Yamaguchi 写真提供:SbYE

evalaさんは、自身を“音フェチ”と話す。学生時代に音のおもしろさや可能性を感じ、音楽もやっていたが、それ以前に音そのものに興味を持ったそう。例えば、今回展示されている《Inster-Scape “slit”》はevalaさんがこれまで世界中を巡って録りためてきさまざまな音を組み合わせている。「旅も好きで旅先でいろいろな音を録音して、それらを組み合わせています。まったく違う地域の音が重なったり、大自然と都会の雑踏が合わさったり、実際にはありえない音の交差が感じられる。生物の鳴き声などもありますが、鳥に詳しい方が、南国で生息する鳥と北で暮らす鳥の声が同時に聴こえてくることに驚かれたということもあります」(evalaさん)。

SbYEオリジナルステッカー

受注生産のシルバー・アクセサリー

また、会期中に展覧会に合わせたオリジナルグッズが制作される予定。現在、SbYEオリジナルステッカー(各330円)と、受注生産のシルバーアクセサリーの「無響リング」「点字リング」(サイズ13号、18号、各4万1800円)と「無響ピアス」(各9900円)を販売している。

6枚組の絵画が視覚的かつ聴覚的に重なりあう《Score of Presence》2019年 / 撮影:清水はるみ

視覚的要素を極力なくすことで“視えてくる”ものがある。音や音による空気の振動で“視る”人それぞれに“視える”ものが違うevalaさんの作品。「evala 現われる場 消滅する像」では、アップデートされた過去の作品から2024年の作品まで7つの作品が展示されている。“視る”人によって異なるということは、自分の耳でしか視えない世界観や解釈があるということ。「evala 現われる場 消滅する像」に足を運んで、聴くことと見ることが融け合う体験をしてみよう。

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