「おいしくなくなる温度帯」を素早く通過しよう
冷凍ご飯は、次の温度帯に長くさらされるほどおいしくなくなります。
マイナス5℃~マイナス1℃
約10~40℃
まず「マイナス5℃~マイナス1℃」は最大氷結晶生成帯と呼ばれ、氷の結晶が大きくなりやすく、食品に与えるダメージも大きい温度帯です。
次に「約10~40℃」は食材の酵素反応が活発になる温度帯で、色が悪くなったり臭いが出やすくなります。
この2つの温度帯を素早く通過させるスピーディーな加熱が美味しさを保つポイントになります。
電子レンジ加熱が1番スピーディー
ご飯の解凍方法は、蒸し器や湯せん、自然解凍などもありますが、加熱スピードを考えると「電子レンジ」がベストです。
電子レンジは加熱時間が短い分、他の解凍方法よりも「おいしくなくなる温度帯」を短時間で通過できます。
時間も手間もかからずおいしく仕上がるのであれば、ご飯の解凍には電子レンジがベストと言えます。
電子レンジは機種ごとに加熱能力のバラツキがある
フジテレビ商品研究所の実験によると、5メーカーの5機種の電子レンジで「10℃の水200gを500Wで2分40秒加熱」したところ、最高は83℃、最低72℃と、10℃以上も差がでました。
これは電子レンジの能力に差があるからで、同じ分量の食品を同じワット数/時間で加熱しても、機種によっては加熱不足や過加熱が起こり得るということです。
ご飯を解凍する場合も同じで、例えば「600Wで2分」と書いてあっても、あくまで目安としてご家庭ごとに調整が必要になります。
なんだかマズい…悩み別の対処法をチェック
▼解凍したご飯が「べしゃっとする」
ベチャベチャになる場合は「ごはんの露+レンジ過加熱」かもしれません。「レンジでご飯を解凍するときのコツ」を順にお試しください。
▼解凍したご飯が「お団子みたいにくっついちゃう・固くなる」
冷凍するときに、ご飯をつぶさないように優しくラップで包みましょう。また、解凍時の過加熱により固くなってしまうこともあります。「2回に分けて温める」をお試しください。
▼解凍したご飯が「パサパサ・粘りがない」
冷凍するとき、もしくは冷凍保存中に、ご飯の水分が逃げてしまっているのが原因かもしれません。「ご飯を美味しく冷凍する方法」をご確認ください。
▼解凍したご飯が「におう」
炊き立てご飯は臭わないのに、冷凍ご飯にするとなぜか臭う!という場合は、冷凍保存中の臭い移りが原因かもしれません。
じつはラップには原料が異なる3種類があり、このうち家庭でよく使うのは①と②です。
①ポリ塩化ビニリデン:においや湿気、酸素を通しにくい(サランラップ、クレラップなど)
②ポリエチレン:においや湿気、酸素を通しやすい(ポリラップ、ダイソーなど)
③塩化ビニル樹脂:器にくっつきやすく、熱に強い(スーパーのお肉のパックなど、業務用によく使われる)
ご飯の冷凍保存には「臭い移り・乾燥・酸化」を防ぐという点で①ポリ塩化ビニリデン製がおすすめです。②ポリエチレン製を使う場合は、ラップで包んだあとに、ジップロックなどの保存袋に入れて冷凍しましょう。ぜひこの機会にご家庭のラップの原料を確認してみてください。ちなみに…、②ポリエチレンは安価で、野菜や果物の保存に適しています。
※本記事は、 (有)阿部ベイコクのwebコラムからの転載記事です。
※2024年12月24日更新
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(有)阿部ベイコク
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配信: クックパッドニュース
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