飼い主さんに力いっぱい威嚇していた子猫が、時を経て……。
紹介するのは、X(旧Twitter)ユーザー@mugichan_kawawaさんの愛猫・むぎちゃん(取材時4才7カ月)。むぎちゃんは、飼い主さん夫婦が保護したコでした。こちらの写真は、保護したばかりの生後1カ月半ごろのむぎちゃんの様子。体は手のひらサイズで、体重は600gほどしかなかったそうです。
突然、目の前に現れた人間に怯えて「シャー!」と威嚇するむぎちゃんの姿に、飼い主さんは可愛らしさを感じた反面、複雑な感情を抱いたといいます。
飼い主さん:
「保護したばかりの緊張や不安、傷ついて汚れているむぎちゃんを見て、悲しみなどいろんな感情がありました」
むぎちゃんとの出会い
飼い主さん夫婦とむぎちゃんの出会いは路上でした。「ニャーニャー」と鳴く声が聞こえたため近くを探すと、野良の子猫のむぎちゃんが1匹でいるのを見つけたといいます。
飼い主さんの話では、近くには成猫と思われる遺体があったそう。もしかすると、むぎちゃんの母猫の可能性もあったようです。外の世界の過酷な状況で生きてきたことがうかがえる状況でした。路上にひとりぼっちでいたむぎちゃんを保護した当時について、飼い主さんはこう振り返っています。
飼い主さん:
「夫婦ふたりとも猫が好きで、ずっと『猫を飼いたいね』と話していたんです。このときむぎちゃんと出会ったのは、運命だなと感じました」
「お世話が大変なコ」だった時期も
飼い主さんに保護されて一緒に暮らすことになったむぎちゃん。月日は流れ、現在は4才のおとなの猫に成長しました。むぎちゃんとの暮らしは順風満帆というわけではなく、さまざまなトラブルに直面したといいます。
飼い主さん:
「むぎちゃんは1才ごろまでは異食症が本当に激しくて、目についたものすべてを食い尽くす猫でした。抱っこしていたら、洋服の袖がなくなっていたこともあります。また、野良のときに河辺の生き物を食べて過ごしていたのか、1才過ぎまで寄生虫のトラブルもありました。それ以外にも、原因不明の結膜炎や両耳の脱毛、夏バテなどなど毎年何かがあって、動物病院の先生からも『お世話が大変なコ』とお墨付きをもらっています」
大変な時期があったむぎちゃんも、4才になった今は落ち着いてきて穏やかな日々を過ごしているそう。むぎちゃんの変化を実感した出来事ついて、飼い主さんはこんなエピソードを話しています。
飼い主さん:
「私たちもむぎちゃんの言いたいことがわかるようになりましたし、むぎちゃんも私たちの言葉を理解してるのかなという場面が増えました。たとえば、自分の名前に反応したり、『ダメ』『ごはん』『ちゅ〜る』『行くよ』などの言葉も理解しているように感じます。むぎちゃんは窓から外を眺めていることが多いのですが、通行人から『可愛い』と声をかけられると、まんざらでもなさそうにしています」