●閑静な住宅街の中にあった事件現場のコンビニ
筆者は今年12月、今回の裁判の事件現場となった川口市にあるコンビニを訪れた。市街地から、約7キロ。緑も多い、閑静な住宅地の中にそのコンビニはあった。周辺の道路には街灯が少ないが、夜間の様子を近隣住民はこう語る。
「コンビニの目の前は県道で、深夜帯でもトラックが走っていて、車の往来があるので明るいです。夜にクルド人の溜まり場になっているような感じはありません」
現場となったコンビニには、9台ほどの駐車スペースが設けられており、県道と県道の交差点の横にある。近隣住民によると、すぐ近くには高速道路もあり、抜け道としてよく利用される道路だという。
筆者がこのコンビニを訪れたのは平日の午後1時ころだったが、店舗前の道路は車の往来が激しい印象で、ひっきりなしに駐車場へ車が入ってくる。駅からも近く、中学生と思われる制服を着た集団の姿も見受けられた。
●SNSなどで在日クルド人に対する「ヘイトスピーチ」が問題に
近年、日本では在日クルド人に対するSNSなどでのヘイトスピーチが問題となっている。在日クルド人らで作る「日本クルド文化協会」の事務所周辺では、反クルド系の活動家らによるデモ行進がおこなわれるまでに発展している。
同協会は、デモ行進の実施を中止させる仮処分を裁判所へ求めた。今年11月、さいたま地裁(市川多美子裁判長)は「ヘイトスピーチ」に該当するとして、デモを呼びかけた人物に実施を禁じる決定をした。
配信: 弁護士ドットコム