●母親「指導守らないのは本人の意識の問題」
弁護側の情状証人として、被告人の母親が出廷した。事件当時、被告人は通学のため親元を離れて生活していた。母親は少年時の事件も当然知っているため、保護司にサポートを依頼していたが、状況確認の連絡を取ることはなかったという。
事件の原因について、母親は「犯罪の意識のなさ」を挙げた。人の気持ちを理解するのが苦手で、相手が嫌がっていてもその行為を続ける傾向があると話した。
その上で、少年時の事件後には、強く指導を行っていたと証言した。相手の同意や、正式に交際をしていないと行為に及んではいけないなどと伝えていたという。
検察官「ワンナイトの関係についての指導は」
母 親「それは、交際に含まれませんので」
検察官「では、被告人は指導を守らなかったということですか」
母 親「そうです」
検察官「なぜ聞き入れないのか心当たりはありますか」
母 親「ないです。本人の意識の問題かと」
今後は実家に呼び戻し監督することを誓約した。しかし、更生のための具体的な案はなく、なにより母親自身に手立てが浮かばなかったようで、困惑している様子をみせていた。
●過去のいじめの経験と被告人の認知と
被告人は、弁護人からの被告人質問で、Aとはあくまで合意を得ていたと主張。その上で、年齢も把握しており、犯罪であることも認識していたという。
弁護人「合意はどのようにして確認を」
被告人「SNSのDM(ダイレクトメッセージ)でセックスフレンドの関係となることを確認しました」
弁護人「会ってから確認はしましたか」
被告人「確認しました」
弁護人「相手は13歳で年下ですが、抵抗はなかったのですか」
被告人「不安があったので、DMだけでなく、会った際にも確認しました」
セフレ関係の合意について供述する被告人。13歳の少女と性的関係を持つ抵抗感があるようにはうかがえなかった。
事件当時の精神状態については、過去に受けたといういじめの経験を挙げた。小学生、中学生のとき、怒られたり、いじめられるのが当たり前の環境だった。そこで自分では考えることを止め、相手に合わせることで自分を保ってきたという。
被告人に好意的なAに合わせた一連の行為だったということだろうか。しかし、過去の事件も含め、性的事件を繰り返すことの原因については明確な答えは出てこなかった。
配信: 弁護士ドットコム