●被告人が母親に対し「これくらいじゃ警察は動きませんよ」
弁護人からの被告人質問が行われた。事件当日は、旅行で訪れたことを伝えると返信が来たので、車で迎えに行き、駐車場で1時間ほど過ごした後、ホテルへ向かったという。どのようにホテルへ誘うことなったのか、その際のAの反応などは明かされなかった。
事件後の心境などについても語られた。
弁護人「逮捕まで約3カ月ありましたが、どう考えていましたか」
被告人「最初はひたすら逮捕されると思ってましたが、LINEでAの母親とやり取りして大丈夫かなと」
弁護人「Aの母親はなんと言っていたのですが」
被告人「『これ以上関わったら通報する』と」
弁護人「その後LINEのやりとりを止めたのは何故」
被告人「僕が、『警察、警察言ってますが、これくらいじゃ警察は動きませんよ』と言って、以降しなくなりました」
犯行については「軽はずみで、恥ずかしいことをした。被害者に迷惑をかけてしまい申し訳ない」と反省の言葉を口にした。現在は、示談条件の金額となるまで、仕事の給料を半分貯める生活をしているという。
●「妊娠の危険性考えなかった」
検察官からはAの年齢を踏まえ、低年齢者が好意の対象か問われると「若い子だから好きなのでなく、Aが12歳だった」と供述。性行為を行った際の心情について聞かれると「これくらい、いいだろうと軽薄な考えだった」「避妊具をつけることは考えてなかった」「妊娠の危険性も考えなかった」などと答えた。
裁判官からは示談金の準備について聞かれた。
裁判官「毎月、どれほど貯めようと思っているんですか」
被告人「給料の半分です」
裁判官「目標まで、どれくらいかかるんですか」
被告人「(数秒の沈黙の後)3~4年?」
裁判官「いくらを相手に提示してるんですか」
被告人「給料の半分を貯めて、相手の希望額になるまで…」
裁判官「だから、それがいくらかを聞いてるんです」
証言台の被告人は、チラチラと弁護人の方を見た上で、不安そうに目標額を答えた。その不安な口ぶりは、示談のやりとりを口にしていいと悩んでいるのか、示談交渉の状況を被告人が把握していないためなのか、傍聴席から判断することはできなかった。
配信: 弁護士ドットコム