汗をかく理由はまず体温調節
ニオイのエチケットなどとして、たくさんの人が実践している脇下などの汗対策。発汗する機会を減らすため、室温に気を使っている人もいるのでは? でも、そんなに汗を抑えて大丈夫なのでしょうか。
人間の体温は外の温度に合わせて変化しないため、高い気温や運動などで体温が上昇しすぎると、脳や体の組織は正常に機能しなくなります。汗をかいて体が濡れた状態になると、乾燥する際に気化熱が奪われ、体の熱が効率的に下がるそうです。
また、汗はみずからの意思でコントロールできません。汗を出す指令は脳から送られるため、暑さ以外に緊張などでも汗が出ます。このため、汗をかきたくないときでも汗をかいてしまうのです。
発汗には体温調節以外にも大事な働きが
最近ではデオドラント商品も充実し、ある程度は汗やニオイを抑えることができます。とはいえ、やりすぎはお肌にとってマイナスに働くことも。
実のところ、汗には体温調節以外の働きもあります。汗が出る汗腺には、体温調節の働きをするエクリン腺(弱酸性)とニオイの原因になるアポクリン腺(中性)の2種類があり、通常の汗は前者です。この汗には細菌の繁殖を抑える働きや、外部刺激からの保護、保湿などの働きもあるといわれています。
ただし、かきすぎると弱酸性からアルカリ性に変わってしまうため、肌の上で蒸発すると「あせも」の原因になります。これを避ける方法は、汗腺の機能を良くしてさらさらの汗をかくようにしておくこと。汗をかかないと、汗腺の機能は落ちやすくなるそうです。
汗がお肌に与える影響を考えると、ほどよくしっかり汗をかくことが大事なようです。脇下などのニオイは制汗グッズで抑えるとしても、毎日のお風呂や定期的な運動などで汗をかくようにしましょう。
ただし、汗をかいたあとそのままにしたときも、弱酸性からアルカリ性に変わってしまうそう。細菌が繁殖しやすくなるため、こまめに拭き取るなど肌を清潔に保ちましょう。
汗をかくことは体にとって大事な機能です。美容と健康のために、汗をかく良い習慣を作っていきましょう。