両陛下に失礼? 林官房長官夫人の着付け、どこが“失礼”だったのか…「着崩れ以前の問題」と専門家も指摘

両陛下に失礼? 林官房長官夫人の着付け、どこが“失礼”だったのか…「着崩れ以前の問題」と専門家も指摘

「両陛下に失礼では」とネット上で物議をかもした、林芳正官房長官の妻・裕子さんの着物姿。“着崩れ着物”“着崩れ姿”と話題ですが、お写真を見る限り「着崩れ」は語弊があると感じました。「着崩れ」とは「きちんと着ていた着物の着付けが、次第に崩れること」を意味しますが、裕子夫人の場合、着付けの時点で問題があったケースとお見受けしたのです。

ひときわ目を引く、「着丈」「裾広がり」「おはしょりの乱れ」

お写真を拝見する限り「着付け教室でひと通り、習得したばかり」の方が、自分で着つけたケースではないかと考えました。このような仕上がりになってしまうのは、着付けが上達するまでの間、誰もが通る通過点。「着付けの手順は覚えた、あとはブラッシュアップに精進する」という段階を経てこなれた着付けができるようになるからです。

とはいえ、皇后陛下の誕生日祝賀式典という国家の祝事。しかも、政治家の配偶者として列席するというお立場。プロの着付けとヘアメイクの万全の準備で臨まれた方が結果的に、良かったのではないかと思わずにはいられません。

ネット上ですでにいろいろな指摘がなされていますが、「異様に短い着丈」「裾広がりと写真向かって右の脇線の違和感」「乱れまくったおはしょり」が耳目を集めているようです。

他にも気になるのが、帯揚げの結び方と始末や帯締めの端の始末がアシンメトリーになっている点や、袖が短く手首の「グリグリ」が露出していること。腕時計をつけることは必ずしもNGではありませんが、デザインや質感が着物向きではありませんでした。華奢な文字盤で、肌馴染みの良い色の皮やチェーンの細いベルトでしたら、悪目立ちしなかったことでしょう。

ここで、いったん「美しい着付け」を確認しましょう。

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雑誌『美しいキモノ冬号』の巻頭特集の女優・伊東美咲さんの訪問着姿は、裾は草履の「ツボ」という足の指で挟む部分にかぶり、手首のグリグリは袖で隠れています。礼装の場合、このぐらいの長さが推奨されます。

着物姿が美しく見えないポーズと手ぶらが、残念ポイントを加算

林官房長官のXのツーショットのお写真は、ポーズも残念すぎます。着物が美しく見えるショットは少し右を向いた斜めの姿勢。特に訪問着は着ている人の左上半身に文様が描かれているので、しっかり見えるように斜めの姿勢を取るのが好ましいです。また着物姿は洋装と異なり、四肢を動かしての肉体を駆使したポージングの幅が狭い衣装です。

そのため、「手持ち無沙汰な印象」を緩和するために、ハンドバッグやクラッチバッグを活用するのがおすすめです。「おはしょりの仕上がりがイマイチなときはバッグで隠す」は庶民にも使えるテクニック。左半身を少し前に出したポーズで、左手にクラッチバックを持つと「手持ち無沙汰な印象」がなくなります。

今回はご夫婦でのツーショットなので、「ひな人形」や「婚礼写真」に準じて夫が向かって左側、妻が右側の立ち位置のほうが見た人に与える「違和感」を軽減できたのではないかと思いました。とはいえ、ジェンダーギャップ指数が156か国中、118位(2024年)のわが国ですので「私たち夫婦は性別役割分担にはこだわっていません」という意図が込められていたのかもしれません。だとしたら、差し出がましく失礼いたしました。

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