30代以上・未婚・子ナシ…は「女の負け犬」 女性の“お一人さま”像、20年でどう変化?

酒井順子さんの「負け犬の遠吠え」が発売から20年以上が経過。20年前の「女の負け犬」は“30代以上・未婚・子ナシ”と言われていましたが、現代では、どのような変化が起きているのでしょうか……。

先の見えない将来が不安?

 アラフィフ、アラカンの女性の親世代は皆婚社会に属している世代ですし、アラサーの女性の親世代も8割ほどが結婚している世代です。お一人さまの中には自分にとって身近な女性である祖母や母に倣って生きるわけにもいかず、暗い洞窟の中を恐る恐る進んでいるような人も多いと見てとれます。

 その中で、お一人さま女性のロールモデル不在に悩む声も挙がっています。独身女性の多くはお一人さまとしてかっこよく生きる姿や、老後を一人で謳歌(おうか)する先輩女性たちの姿を見たいのではありません。将来住む場所、老後の生活費、入院中の生活などについて考えると不安になるため、単身者の老後のライフスタイルについてイメージできるようになりたいと考えているのです。

 お一人さまは給与を自分のためにだけ使えるから経済的に余裕があるという見方がされることもありますが、むしろ単身者は経済的に厳しい傾向にあります。厚生労働省の「令和5年版 厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会」によると、「独身者の利点」として「経済的に裕福」と回答した女性は1990年代前後から2021年までの調査の中で20%に達する年はほとんどありません。

 さらに、最近は、既婚者よりも未婚者の方が経済的に厳しいという意見が強くなってきています。筆者もキャリアウーマンといわれる女性の方が夫も子どもも手に入れている傾向があるように思います。特に、近年は育休制度が整った企業や在宅勤務を選択できる企業も多いため、その傾向は強まっているといえるでしょう。

 現在、社会においてさまざまなお一人さまの存在が認知されているだけでなく、SNSやYouTubeなどで自分と同じ立場の女性の存在を知ることもできます。その一方、単身で生きることを決めた女性たちが安心できる制度の整備や、知っておくべき知識の普及は追いついていないといえます。

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