ドラマ特区「ふったらどしゃぶり」インタビューより、W主演の(左から)武藤潤、伊藤あさひ / 撮影＝山田大輔
伊藤あさひと武藤潤がW主演を務めるドラマ特区「ふったらどしゃぶり」(毎週木曜深0:59-1:29ほか、MBSほか)が1月9日(木)よりスタートする。同作は、一穂ミチのBL代表作「ふったらどしゃぶり When it rains, it pours」を原作にした、報われない愛と性に翻弄される不器用な大人たちのラブストーリー。一通のメールが手違いで届いたことから始まる、二人の男性の秘密の関係を描く。
このたびWEBザテレビジョンでは、同棲中の彼女とのセックスレスに悩む、家電メーカーの営業部・萩原一顕役の武藤と、同居相手の幼なじみとの関係に悩む、一顕と同じ会社の総務部・半井整役の伊藤にインタビューを実施。出演が決まった際の気持ちや互いの印象、役との共通点などを聞いた。
■「原作ファンの方もたくさんいるのですごく責任を感じた」
――まずは、出演が決まった際の率直なお気持ちをお聞かせください。
伊藤：お話をいただいて、まず原作を読ませていただきました。BL小説を読むのは初めてだったのですが、すごく繊細だし、人物の心理描写がとてもきれいだなという印象がありました。原作ファンの方もたくさんいるのですごく責任を感じたと同時に、自分が整を演じることがすごく楽しみだったので、今撮影していてとても楽しいです。
武藤：ずっと前からドラマにすごく出たかったので、今回この役が決まってうれしかったです。BL作品の中でも強いリアリティーがあって、いろいろな人が共感できるテーマだなと思ったので、ぜひこれを皆さんに届けたいなと思いました。
――初共演となりますが、お互いの印象はいかがですか？
伊藤：初めてお会いしたのが本読みだったのですが、ちょっと天然な部分があるので(笑)、そこが一顕とマッチしていてぴったりだなと思いました。整はそれまで自分の世界に和章(松本大輝)しかいなかったところから急に一顕を愛し始めるので、どういう方なのかとお会いするまですごく楽しみにしていたのですが、“愛せるな”と一瞬で思いました。一生懸命ですし、人としてかわいらしい部分がたくさんあるんですよね。
武藤：お会いする前、ちょうど「潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官」(日本テレビ系)を見ていて、“テレビに出ている人だ”という印象がありました(笑)。整と同じく、どんな人なのか知りたくなる要素を持っていて、“沼男”という感じです。
ドラマ特区「ふったらどしゃぶり」インタビューより / 撮影＝山田大輔
――実際に撮影が始まり、映像を見た手応えはいかがですか？
伊藤：つい先日、雨のシーンを撮ってモニターを見させていただいたのですが、自分で言うのもなんですが、すごくきれいでした。題名の通り雨がテーマだったりもするので、雨のシーンはやっぱりきれいに映っているのではないかなと思います。
武藤：一人一人の人間関係がすごく重要な話になっているので、一顕が整に見せる顔、かおりに見せる顔、会社で働いているときの顔など、いろいろな表情が見られるのではないかなと思います。
■「人との距離感がすごく大事な作品」
――それぞれが演じたキャラクターへの解釈と、演技プランとして意識したことがあれば教えてください。
伊藤：整はキャラクター性がつかみづらいというか、フラットな部分もあるし、自分の言いたいことは素直に言うし、全部閉じているときは閉じているので、それらの使い分けはなんとなく自分の中で分析しつつ演じています。
原作の気になるところを何度か読み返しても、正直初日まで“こういうことだ”というのが分からないまま現場に入っていて…。最初は和章とのシーンだったのですが、そこで初めて“そういうことか”となった瞬間があったりと、撮影初日まで整に対しては自分の中でつかめない部分が多かったです。
寂しい人って、自分の肯定感を上げるために人を試したり、甘えてみたり、興味のない人には壁を作ることがあると思っていて、そういうことを自分の中でいろいろと考えて、“こういう人っているよな、自分もこういうときあるよな、幼いときはこうだったよな”といろいろとリンクさせて作っている感じです。
武藤：人との距離感がすごく大事な作品だと思っているのですが、不思議なことに、すごく距離が近いのにいつの間にか心の内を話せる存在じゃなくなっていたり、メールという距離が離れているところでは、心の内をすらすらと話せたりするんですよね。
そういった一顕と整の距離感と、一顕とかおりの距離感というのはすごく意識していて、シーンを撮影する前に、二人の間に何があったのかを監督とも話し合いながら撮っています。
僕は今まで舞台に多く出演させていただいているのですが、舞台とドラマには違いがあって、セリフの言い方とかも、ましてこのリアリティーのある作品だからこそ、よりリアルな自分に近い表現になるように、監督と話し合い、自分でも試して、探り探り演じています。
ドラマ特区「ふったらどしゃぶり」インタビューより / 撮影＝山田大輔
――それぞれが演じたキャラクターとご自身の共通点や、共感できたところがあれば教えてください。
伊藤：自分の感情にうそをつかないフラットな感じは共感できました。例えば、一顕に対しては、疑問に思ったことはすぐ口に出せるし、好きな人以外には気を遣いすぎないというか。だからこそ逆に整は人から愛される、気になる存在になれるのかなって。僕もいい意味でも悪い意味でも、人に言うときは言うので、そこはちょっと共感できました。
武藤：急に敬語になったりタメ口になったりするところが似ている部分かなと思います。僕も出会ってそこまで時間がたっていない人にそうなりがちというか。無意識ですね。本当はタメ口でいきたいけど、やっぱりまだ早いかな？と迷っているんだと思います(笑)。
ドラマ特区「ふったらどしゃぶり」インタビューより / 撮影＝山田大輔
■簡単なゲームを生み出し交流を深めた二人
――撮影現場で印象に残っているエピソードや裏話があればお聞かせください。
武藤：鴨がいたじゃないですか。
伊藤：鴨？あぁ、鵜！
武藤：鵜か！鵜が潜って次に出てくるのはどこかってやつ(笑)。
伊藤：あぁ、やったやった(笑)。海の近くでの撮影中に、運河に鵜が浮かんでいて、バッと潜るんですよ。それで、「次潜った後にどこに出てくるか予想しようよ」と言って勝負して(笑)。僕は負けました。
武藤：僕は当てました(笑)。
伊藤：結構長い時間潜ってるんだよね。
武藤：そうなんですよね。だいぶ遠い場所に出てくる。
伊藤：気付いたら遠くから顔を出してくるから、そんな遊びをやっていました(笑)。
――2025年のへび年にちなみ、“私はヘビー○○”と言えるような、ハマっている趣味、好きなもの、普段から毎日しているようなことがあれば教えてください。
伊藤：僕は、“ヘビー大戸屋ユーザー”です。和食が大好きで。あの値段でおいしい定食が食べられて、行ったら必ず一つは食べたいものがあるので、かなり通っています。自分の家の最寄りにはないので、撮影の帰りとかはちょうどいい乗り換え地点でわざわざ降りたりして。
新しいお店を探すのも好きなんですけど、大戸屋はいろいろなとこにあるし行きやすいんですよね。一人でご飯を食べるときは大体行っています(笑)。
武藤：僕は、“ヘビープラモデラー”です。一年前ぐらいからハマっていて、結構集めています。集めるところから始めて、YouTubeとか雑誌とかで勉強しながら塗料も買って。
メタリック感を表現するつるつるピカピカな感じとか、逆に使い古した感を表現する汚れとかを塗装して、自分にしか作れない一体を作るのが好きですね。どちらかと言うと不器用なので、失敗することも多いですし、小さいパーツとかなくしがちなんですけどね(笑)。
――2025年はどんな一年にしたいですか？
伊藤：年明け早々このドラマから始まるので、まずはこの作品が皆さんに愛される作品になるように、とにかく今を頑張りたいです。あとは、今決まっているお仕事で言うとその後にミュージカルがあるので、ファンの方に喜んでもらうことができる年になりそうな予感がしています。責任を持って、頑張ってやっていけたらいいなと思います。
武藤：いろいろなことに挑戦できたらいいなと思っています。今回のドラマもそうですが、自分の中では初めてこんなにたくさんお芝居できる役をいただいたので、そこで学ぶこともたくさんありました。なんでも思い切って挑戦することが大切だということを知ったので、このドラマだけでなく、この先もその気持ちを忘れずに、挑戦できる一年になったらいいなと思っています。
――最後に、作品の見どころと視聴者に向けたメッセージをお願いします。
伊藤：男性同士でも女性同士でも男女でも、同じような悩みを抱えている人はいっぱいいて、そういう人たちにも寄り添えるような内容になっています。普通のドラマでは避けられるようなリアルな部分もセリフや行動で描かれているので、そういうところも楽しんで見ていただけたらと思います。
武藤：報われない恋心に翻弄されていく大人のラブストーリーなので、見ている人にリアリティーを乗せて、共感できるような内容を伝えようと僕たちみんなで頑張っています。ぜひたくさん心を動かしてもらえたらうれしいです。
ドラマ特区「ふったらどしゃぶり」インタビューより / 撮影＝山田大輔
撮影／山田大輔
スタイリスト／ダヨシ(伊藤)、辻本紅葉(武藤)
ヘア&メーク／沼田真実(ilumini.)(伊藤)、なかじぃ(KIND)(武藤)
衣装協力／JIVELTA(TARKS)、Mizuid、NARRATIVE PLATOON(ROLE)
配信： WEBザテレビジョン
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