入学まで3カ月! もうすぐ小学生になるわが子のために「家庭でやっておいた方がいいこと」3選

子どもにとって大きな環境の変化である「小学校への入学」。子育て本著者・講演家の筆者が考える、入学までの3カ月間に「家庭でやっておいた方がよいこと」とは…?

入学までの期間、家庭でやっておくとよいことは…?(画像はイメージ)

【画像】「えっ…そうだったの……!」 これが「発達障害児」にみられることのある「行動」5つです

 小学校の入学式まで3カ月。3月31日の午後11時59分59秒まで「幼児」と呼ばれていた子が、午前0時を過ぎて突然、「小学生」に変身するわけではありません。日付は一つの区切りかもしれませんが、子どもにとっては単なる時間の連続です。

 でも、周りの大人はそうではありません。子どものことを「幼児」ではなく、「うちの子は小学生」と言います。入学したら幼稚園、保育園の先生のように下の名前で呼ぶのではなく、「田中さん」「佐藤さん」と名字で呼ばれるようになります。

 子どもにとって、小学校への入学は大きな環境の変化です。戸惑わないためにも、幼児期にやっておいた方がよいのはどんなことか、子育て本著者・講演家である筆者が考えてみました。

(1)道具の準備は自分でやらせる

 小学生になると、時間割を確認して、明日使う教科書を“自分で”ランドセルに入れなくてはなりません。教科書以外にも図工道具、雑巾……先生からさまざまな持ち物の指示があります。

 幼児期に、通園バッグの中身のお便り帳、タオルの準備を親が全部せず、子ども自身にさせましょう。実は幼稚園や保育園で、これらの持ち物の準備を、保育士は子ども自身にさせています。自分の棚に道具を置いたり、タオルをかけたりするなど「自分のことは自分で」させるようにしているのです。家庭でも、通園バッグからコップや連絡帳、タオルを出すのを子どもにさせてみてはどうでしょうか。親が手を出し過ぎないようにしましょう。

(2)時計を読めるようにしておく

 学校ではチャイムが鳴ります。子どもが、そのチャイムだけで行動するのではなく、「時計」を見て行動することができるようになると、時間的にも気持ち的にも余裕ができます。「授業まであと5分だから、今のうちにトイレを済ませておこう!」「あと10分で授業は終わり。給食の時間だ」といったように、です。

 子どもが時計を読めるようにするために、家に針のついたアナログの時計を置いておきましょう。

 数字だけのデジタル時計はおすすめしません。デジタル表示される数字を読んで「8時30分!」と言うことはできても、それでは時間の概念が身に付かないからです。「時計が読める」というのは、「時刻を言える」ことではなく、「時間経過が体の感覚で分かる」ことを指します。

 私はかつて学習塾を経営していたのですが、授業で、小学校1年生の子どもたちに目をつぶらせて「1分たったら手を挙げましょう」ということをしていました。

 すると、時間を体の感覚で分かっている子どもは、ほぼ正確に手を挙げていました。しかし、日頃から時間を意識せず、親の「早くしなさい」の言葉に条件反射で行動する生活を送っている子どもは10秒で手を挙げたり、反対にずっと目をつぶったままだったりすることがありました。時間感覚が育っていないのでしょう。

 針のついた時計は時間経過が視覚的に分かるので、アナログ時計を置くことをおすすめします。時刻を表す数字が「1」から「12」まで書いてある時計だと、なおいいです。

 ただし、時計を置いただけだと、風景に溶け込んで“壁紙化”してしまいます。「早くしなさい」ではなく「8時までに準備しようね」、「早く起きなさい」ではなく「ほら、時計見てごらん、7時だよ、おはよう」と声かけをしましょう。子どもは徐々に時計が読めるようになっていきますよ。

 幼児期に時計そのものを見たことがなく、小学校の算数の授業でプリントに書かれた時計を見て、初めて「時計」というものを目にする子どもも実際にいます。時計を読むことは理屈ではありません。時計は、日常生活の中で自然に触れて読めるようになるのです。

関連記事: