「必殺仕事人 恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊」より / (C)ABCTV/松竹
藤田まことさん演じる中村主水らが、人々の恨みを晴らす“闇のアウトロー”を描いた時代劇「必殺」シリーズ。「必殺仕掛人」をはじめ、「必殺仕置人」「必殺仕事人」などさまざまなタイトルでシリーズ化し、30年以上制作が続く人気作品となった。ちなみに歴代最高視聴率は「必殺仕事人III」第21話で、37.1%を記録している。BS松竹東急(全番組無料放送・BS260ch)では「必殺スペシャル&劇場版 23作怒涛の大特集!!」と題して、2カ月にわたり同シリーズのTVスペシャルと劇場版あわせて23作を放送する。本記事では、1月13日(月)~1月17日(金)に放送される6作品のあらすじや見どころを紹介していく。
■中条きよしが敵役で出演する「必殺仕事人 恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊」
1月13日(月)夜8時からは、“必殺スペシャル”第1作となる「必殺仕事人 恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊」を放送。物語は、元旦早々に南町奉行所の中村主水(藤田さん)が行方不明になってしまうところからスタート。主水を拉致した人物は、彼の裏家業を知る市三(中条きよし)で、徳川御三家の筆頭家老と、米問屋である室田利兵衛の殺しを千両で依頼したのだった。主水は仕事人の秀(三田村邦彦)、左門(伊吹吾郎)に相談するが、秀はその標的の大きさに渋り、主水たちは一度仕事をしくじってしまう。しかし、無類の女好きである仕事人・与市(フランキー堺さん)に救われ、さらには“伝説の仕事人”である凄腕の矢島仙十郎(西郷輝彦さん)が現れて――。
本作では、元旦から仕事に行く主水に対し、姑や妻から「元日早々出ることはないじゃないか」と責められるシーンがある。当時は“女が男を立てる”のが風潮として当たり前になっていたものの、このように主水はたびたびこの2人の尻に敷かれている。しかし“仕事人”として殺しを請け負う際にはキリっとした表情に一変。主水の“表と裏の顔”のギャップは見どころの一つと言えるだろう。
また本作では、フランキー堺さんや西郷さんらが仕事人としてゲスト出演。さらにこの作品の後の「新必殺仕事人」にて、“三味線屋の勇次”としてレギュラーメンバー入りを果たした中条が“悪役”として出演するなど、豪華な出演者陣にも注目したい。
「必殺仕事人 恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊」より / (C)ABCTV/松竹
■緒形拳さん、沖雅也さんら歴代仕事人が再登場する「仕事人大集合」
1月14日(火)夜8時からは、必殺シリーズ10周年を記念して制作された「仕事人大集合」を放送。主水が長崎奉行所に栄転となり、足を洗ったはずの裏家業に戻ることとなった。長崎への道中でかつての仲間たちと再会を果たした主水は、元締の仇と巨悪を成敗しようと立ち上がる――。緒形拳さんや沖雅也さんなど、過去に登場した“仕事人”たちが再登場する一作となっている。
1月15日(水)夜8時からは、主水らお馴染みのメンバーの子孫が現代で活躍する「(秘)必殺現代版 主水の子孫が京都に現われた 仕事人vs暴走族」を放送。登場人物は、主水(保険勧誘員)、村上秀夫(アクセサリーデザイナー)、長谷川加代(タクシー運転手)ら。ある日主水のもとに、仙田という人物から高額の保険申し込みが入る。仙田によると、妻と娘が暴走族に襲われ自殺に追い込まれたようで――。本作では、自宅に帰れば姑や妻に頭が上がらない主水など、ストーリーの設定をそのまま現代に置き換えている点が見どころだ。
「仕事人大集合」より / (C)ABCTV/松竹
「仕事人アヘン戦争へ行く 翔べ!熱気球よ香港へ」より / (C)ABCTV/松竹
■仕事人らが海を越えて香港へ上陸する「仕事人アヘン戦争へ行く 翔べ!熱気球よ香港へ」
1月15日(水)夜9時25分からは、仕事人らが香港へ上陸する「仕事人アヘン戦争へ行く 翔べ!熱気球よ香港へ」を放送。清の貿易商の娘・お春は、両親をアヘン戦争の混乱の中、悪徳イギリス商人に殺されてしまう。お春は母の故郷である日本に逃げ帰ったところを秀に助けられ、“両親の仇を討ってほしい”と頼む――というストーリーが描かれる。必殺シリーズ初の海外ロケが敢行された本作では、国定忠治や遠山金四郎、ナポレオンといった歴史上の人物も登場する。
1月16日(木)夜8時からは、アメリカ西部で仕事人たちが活躍する「必殺仕事人意外伝 主水、第七騎兵隊と闘う 大利根ウエスタン月夜」を放送。ヤクザたちとの抗争が渦巻く下総で祖母を惨殺されてしまったお鹿は、仕事人を探すために江戸へ向かった。依頼を受けた主水は“ヤクザ殲滅”のために下総を目指すが、なぜか32年後の開拓時代のアメリカに到着してしまう――。講談「天保水滸伝」と、カスター将軍の“第七騎兵隊のエピソード”が盛り込まれた、歴史好きにはたまらない本作。竜と政が初登場するシーンにも注目だ。
そして1月17日(金)夜8時からは、元禄時代を舞台にした「必殺忠臣蔵」を放送。本作は仕事人の活躍というよりも、忠臣蔵に主題を置いた作品となっている。浅野内匠頭(沖田浩之さん)が切腹してから1年経ち、吉良邸を探る橋本平左衛門(錦織一清)も殺された。主水たちは、千坂兵部と、彼が雇った仕事人を標的とするが――。劇団四季を結成した日下武史さんや近藤正臣、錦織に今いくよ・くるよさんなどバラエティ豊かで豪華な出演者が登場する。
今回紹介した6作品は、“現代版へのアレンジ”や“タイムスリップ”など、いずれも斬新な設定で物語が展開していく。「必殺」シリーズならではの、時代劇の枠にとらわれない自由度の高さを楽しめる作品に仕上がっている。
「必殺忠臣蔵」より / (C)ABCTV/松竹
配信: WEBザテレビジョン
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