「SHOGUN 将軍」樫木藪重役でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した浅野忠信 / 撮影：田中隆信
ドラマ「SHOGUN 将軍」が「第82回ゴールデングローブ賞」4冠受賞を記念して、1月13日に都内で緊急会見が行われ、浅野忠信が登壇した。
■ゴールデングローブ賞“助演男優賞”のトロフィーを持って登壇
戦国の日本を描いたジェームズ・クラベルの小説「SHOGUN」を、「トップガン マーヴェリック」の原案を手がけたジャスティン・マークスや名優：真田広之らによってハリウッド製作でディズニーが手掛けるドラマシリーズとして誕生。
徳川家康をはじめとした歴史上の人物にインスパイアされた「関ヶ原の戦い」前夜、窮地に立たされた戦国一の武将＜虎永＞と、その家臣となった英国人航海士＜按針＞、二人の運命の鍵を握る謎多きキリシタン＜鞠子＞。彼らが繰り広げる歴史の裏側の、壮大な“謀り事”。そして、待ち受ける大どんでん返し。日本では描ききれない、ディズニー製作による壮大で圧倒的な映像世界で贈る、陰謀と策略が渦巻くSHOGUNの座を懸けた壮大なストーリーが展開される。
日本のみならず世界中で大きな反響を呼び、「第82回ゴールデングローブ賞(R)」授賞式にて、テレビドラマ部門でノミネートされていた真田広之が日本人初の主演男優賞を獲得した他、主演女優賞をアンナ・サワイ、助演男優賞を浅野忠信が獲得と、3人の日本人俳優が受賞。作品賞を含む最多タイとなる計4部門受賞の栄誉に輝いた。
トロフィーを手に持って登壇した浅野は「この『SHOGUN 将軍』の中で樫木藪重を演じました浅野忠信です。とてもうれしいです。授賞式を見ていただいた方もいると思いますけど、今までにないくらい喜びましたし、今もその喜びが続いていて、このような記者会見も開かせていただいて本当に感謝しております」と受賞を改めて喜んだ。
「SHOGUN 将軍」ゴールデングローブ賞(R)4冠受賞記念緊急会見より / 撮影：田中隆信
■浅野忠信「救いはハリソン・フォードさんでした」
助演男優賞で自身の名前を呼ばれた時、どんな気持ちだったのかを聞かれると「昨年、エミー賞の授賞式に参加させていただきました。その時も自分がとりたいと思っていましたし、とれなかったことがすごく悔しかったんです。その後は、妻に聞いてもらうと分かると思うんですけど、ずっと不貞腐れてました(笑)。ありえないくらい不貞腐れて、ずっと毎日文句を言ってました。ゴールデングローブ賞の授賞式も直前まで『オレは行かねえ！』って感じで取り乱してたんです」とエミー賞で助演男優賞を受賞できなかったことを引きずっていたことを明かした。
そして「救いはハリソン・フォードさんでした」と同じ賞にノミネートされていた名優の名前を挙げた。「子供の頃から『インディ・ジョーンズ』や『スター・ウォーズ』を見てきたハリソン・フォードさん世代ですから。『ハリソン・フォードさんと同じところに自分の名前がある。それだけでいいんだ！』って思っていたら、自分の名前が呼ばれたんです。その時に『え？』っていう気持ちと同時に『すみません、ハリソンさん！』って思っちゃったんです。周りに素晴らしいスターの方たちがいましたが、その人たちじゃなくて僕の名前が呼ばれたんだって感動しましたね」と受賞した瞬間の気持ちを語った。
そんな浅野に真田は「来てよかっただろ？」と声をかけてくれたことも明かした。
今回の受賞は浅野にとって大きな出来事で、「自分から言うもんじゃないと思うんですけど、『よく頑張ったな』とは思いました。大きな賞をいただいたことで、より自分のやりたい演技というか、今まで信じてきて貫いてきた演技を続けていっていいんだなって確証を得られました」と自信につながったと語った。
「SHOGUN 将軍」ゴールデングローブ賞(R)4冠受賞記念緊急会見より / 撮影：田中隆信
真田広之から浅野忠信へのお祝いメッセージ / 撮影：田中隆信
■真田広之からの熱いメッセージに感激
そんな真田からお祝いのメッセージが届き、MCが代読。
「忠信君、受賞おめでとう！ 10代の貴方との初共演から、何度も現場を共にして来た共演者として、本当に嬉しく感無量です。そして『SHOGUN 将軍』では素晴らしい、貴方にしか出来ない“藪重”をありがとう。緻密な計算とリアルな瞬発力で、作品に深みと普遍性を与えてくれました。また次回、どんな役で対峙出来るのか、今から楽しみで待ちきれません。本当におめでとう!!! 真田広之」
真田のメッセージに対し、「誰にお祝いの言葉をいただいてもうれしいですけど、真田さんからこの言葉をいただけるというのは大きいですね。僕は真田さんにずっと甘えてたと思いますけど、懐が深くて甘えさせてくれる存在なんです」と話し、「新宿鮫」や「47RONIN」で共演した時のエピソードなども語り、「一緒に共演した時も悔しい思いをしたこともあったので、『SHOGUN 将軍』では、“ここでもう一発やってやろうじゃないか！”というリベンジの気持ちもありました。真田さんがちゃんと見ててくれてたというのを今メッセージで知ってとてもうれしいですね」と笑顔を見せた。
また、「SHOGUN 将軍」はシーズン2＆3の制作が決まっているということで、「“藪重”として、回想シーンなどでも何かの形で出たいですか？」という質問を受けるが、「僕もいろんな人に聞くんですけど、何も教えてくれないから。僕が一番知りたいことなんですよね」と何も知らないと答えつつ、「何か役割があればまた参加したいです。『SHOGUN 将軍』もそうですけど、それ以外の作品でも真田さんと機会があれば共演したいですね。同じように迷惑をかけてしまうのは申し訳ないなと思いますけど」と、真田との共演を切望した。
「SHOGUN 将軍」ゴールデングローブ賞(R)4冠受賞記念緊急会見より / 撮影：田中隆信
■西岡徳馬と金井浩人がサプライズで登場
サプライズで戸田広松役の西岡徳馬と樫木央海役の金井浩人が登壇。二人の顔を見ると浅野は「ありがとうございます！ うれしいです！」と大喜び。浅野の表情を見て西岡も「これは本当に喜んでる顔だ！」と笑顔になり、トロフィーを持たせてもらったりしながら「本当におめでとう！」とお祝いの言葉を届けた。
金井も「僕は体調を崩してしまって皆さんと一緒に会場に行けなかったんですけど、朝からずっと携帯を握りしめて、皆さんが受賞されたというニュースが出るたびに叫んで、雄叫びをあげるような最高の一日でした」と、授賞式の日を振り返り、「忠信さんとご一緒させていただいた時間は“宝物”で、かけがえのないもので、ご一緒にお芝居させていただくのがワクワクして、チャレンジングで刺激的な毎日でした。大きな尊敬の念と感謝でいっぱいです。また作品でご一緒できる日を切に願っております」とリスペクト溢れる言葉を伝えた。
西岡と金井の言葉を聞いた浅野も「(撮影を)思い出すとニヤニヤしちゃいますね。あの日があって、今日またお二人方にもお会いできて。ずっと支えてもらっています」と感謝の気持ちを伝えた。
最後に、“成人の日”ということで新成人へのコメントを求められ、「成人の日のことはすごく覚えています。もう俳優をやっていましたが、有名でもなんでもなかった。何にもなかった僕がここまで来れたので皆さん、大丈夫です。大人が『夢を持ちなさい』とか『何かやりなさい』というかもしれないけど、何もなくても十分楽しくて、何もなくて十分幸せだったから、そんな自分でいれば大丈夫だと思います」と浅野らしいメッセージを届けてくれた。
ディズニー参加のFXが制作した「SHOGUN 将軍」はディズニープラスで全話独占配信中。
※西岡徳馬の「徳」は旧仮名遣いが正式表記
「SHOGUN 将軍」ゴールデングローブ賞(R)4冠受賞記念緊急会見より / 撮影：田中隆信
◆取材・文＝田中隆信
配信： WEBザテレビジョン
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