トリコモナス症とは何か、どのような症状なのか知っているでしょうか。
本記事ではトリコモナス症について以下の点を中心にご紹介します。
・トリコモナス症の症状
トリコモナス症について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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※この記事はMedical DOCにて『「トリコモナス症」という性感染症はご存知ですか?症状や潜伏期間など解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
トリコモナス症とは
そもそもトリコモナスとは何ですか?
トリコモナスは、原虫という、肉眼では見られない生物のことです。
トリコモナスは、男性の場合は前立腺や精のう、尿道に、女性の場合は膣内や子宮頸管、膀胱や尿道に寄生します。
トリコモナス症とはどんな病気ですか?
トリコモナス症は性感染症であり、腟や尿道に腫れや分泌物が出る症状が現れます。
感染源は性行為や身近なものであり、悪臭があるため嫌悪されるSTDの1つです。
トリコモナス症の症状はなんですか?
トリコモナス症の症状は、女性ではおりものの異常、悪臭、刺激感、かゆみ、性交時の痛み、下部尿路の障害などが起こります。
男性では尿道炎の症状が主で、排尿時の痛みや膿の排出がありますが、無症状の場合も多いです。
感染しても半数は無症状で気づかないことが多いです。
トリコモナス症の感染経路はなんですか?
トリコモナス症の感染経路は、性行為や身の回りのものからの感染が主となります。
下着やタオル、検診台、便座、浴槽などが感染源となることもございますが、現在は衛生環境が整っておりますため、トイレの便座や浴槽からの感染は少ないとされております。
トリコモナス症の潜伏期間はどのくらいですか?
トリコモナス症の潜伏期間は性別によって異なります。
男性の場合、感染部位は主に尿道で、潜伏期間はおおよそ10日間前後です。
一方、女性の場合は症状が主に膣で現れ、潜伏期間は通常5~28日以内となります。
男性は尿道炎を主な症状として呈することがありますが、多くの場合無症状です。
女性は膣炎を起こすことが多く、感染すると症状・徴候が現れることが一般的です。
編集部まとめ
性感染症であるトリコモナス症は、性行為や身の回りのものから感染します。女性ではおりものの異常、悪臭、かゆみ、下部尿路の障害などが、男性では尿道炎の症状が主ですが、無症状の場合もあります。治療には抗原虫薬の内服治療が主流で、治りにくい場合は腟剤が使用されますが、妊娠中は内服薬の投与は原則として行いません。治療中は飲酒を避け、同時期に治療を行うことが重要です。再感染のリスクが高いため、パートナーも感染している場合は注意が必要です。
参考文献
トリコモナス症(済生会)
実は多い!トリコモナス感染症!(予防会)
配信: Medical DOC
