●「父は本当はどんな気持ちだったのか気になる」
検察官による被告人質問では、少年が話す内容と関係者の供述との整合性に着目した質問が中心となった。
少年が志望する高校に合格した時、両親が生前やりとりした携帯電話の記録では、父が「自慢の息子だ」などと母に送っていたとされる。
この証拠について検察官が感想を尋ねると、少年は「父からそういうことを言われた記憶は全くない。高校に合格した時に父がうれしそうにしていたのを見たことはなかったので、本当はどういう気持ちだったのかなとすごく気になります」と応じた。
中学生になって父からの身体的な暴力がなくなった理由は「なんとも言えないが、小学生の頃に比べて自分の体格が大きくなったことが大きな理由じゃないかなと思います」と話した。
●将来の夢は「小児科医」
最後の裁判員や裁判官による質問では、少年は将来の夢を「小児科医」としたうえで、「病気にかかっている子どもはすごく孤独なんじゃないかなと思う。寄り添ってくれる人が一番必要な存在。自分も小さい頃孤独だったので、そういった子に寄り添える人間になりたい」と話した。
起訴内容によると、被告人の少年は当時15歳だった2024年2月10日、自宅で父親(当時52歳)を刃物で多数回突き刺し死亡させ、その後帰宅した母親(当時50歳)も首を絞めたり刺したりして殺害した。
また、事件前の2月6日と同10日に相模原市などのコンビニ2店でおにぎりやペットボトル飲料などを万引きしたとして、窃盗罪でも起訴されている。
2月6日は証人尋問が実施される予定。
配信: 弁護士ドットコム