根管治療のガス抜き後に気をつけたいこと
根管治療でガス抜きを行った後は、以下の2点に注意しましょう。
食事と生活習慣で気をつけるポイント
根管内や根尖部のガス抜きを行って、痛みや腫れ、歯が浮いた感覚が解消されても、根管治療はまだ終わっていません。根管を封鎖し、土台と詰め物や被せ物を装着するまでは通院するようにしてください。
その間は、以下のポイントに気をつけた食事と生活習慣を心がけましょう。
【ポイント1】硬い食べ物は噛まない
根管治療中の歯は、とても脆くなっています。硬い食べ物を噛むと残った歯質が割れることがあるため、やわらかいものを食べるようにしましょう。
【ポイント2】粘着性の高い食べ物は避ける
根管治療では、毎回の処置が終わるたびに仮蓋を装着します。この仮蓋は容易に剥がれるよう固定されているので、ネバネバとした粘着性の高い食べ物は控えましょう。
【ポイント3】刺激の強い食べ物・飲み物は口にしない
極端に冷たい、熱かったり辛かったりする食品は、患部に不要な刺激を与えるため、根管治療中は控えるようにしてください。
【ポイント4】飲酒や喫煙は控える
飲酒は患部の血流をよくすることで痛みを強めます。 喫煙はその逆で、タバコの煙に含まれるニコチンが患部の血流を悪くすることで傷の治りを遅らせます。こうした理由から、根管治療中や根管治療が終わった直後は、飲酒と喫煙を控えましょう。
【ポイント5】患部を刺激しない
根管治療中の歯を舌や指で触ったり、歯ブラシで強く磨いたりするのは、歯質の破損や患部の汚染につながることから、可能な限り刺激しないよう努めましょう。
定期的にメンテナンスを受ける
根管治療が終わった後も歯科医院での定期的なメンテナンスを受けることで、再感染および膿やガスの再発を防ぎやすくなります。理想は3ヵ月に1回の頻度でメンテナンスを受けることです。仮にむし歯が再発しても、軽症の段階で対処できます。
まとめ
今回は、根管治療のガス抜きの必要性や方法、注意点などについて解説しました。根管内や根尖部に膿が溜まると、ガスが発生して痛みをもたらします。
むし歯のなかでもかなり深刻な状態といえるため、早急にガス抜きおよび根管治療を受けなければなりません。根管への処置や治療後のケアが不十分だと、膿とガスが再発するリスクが高まることから、根管治療は経験豊富な歯科医師に任せるとともに、治療が終わった後の食生活や生活習慣、口腔ケアにも十分配慮することが大切です。
参考文献
歯内療法ガイドライン
補綴装置および歯の延命のためにPart 3 -根尖部病変の診断・治療・予後-再根管治療における Clinical decision making
予知性のある根管治療をめざして
この記事の監修歯科医師
大津 雄人歯科医師(医療法人社団GLANZ大津歯科医院 副院長 東京歯科大学インプラント科 臨床講師)
東京歯科大学歯学部卒業 / 東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学)卒業 / 現在は大津歯科医院勤務 / 東京歯科大学インプラント科臨床講師 / 専門は口腔インプラント
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配信: Medical DOC
