奥歯をハイブリッドセラミックにするデメリット
ハイブリッドセラミックにはメリットだけでなく、デメリットもあります。
歯を補修する素材を選ぶ際は、デメリットも考慮したうえで判断するようにしましょう。
ハイブリッドセラミックの主なデメリットは、以下の3つです。
オールセラミックと比べると審美性が低い
オールセラミックよりも割れやすい
二次カリエスの可能性
それぞれの内容を解説します。
オールセラミックと比べると審美性が低い
ハイブリッドセラミックは、レジンとセラミックの特徴を併せ持っており、レジン特有の審美性の良さを持っています。
しかし、セラミックのなかでも特に審美性の高いe-maxやポーセレンなどの素材と比較すると、審美性は劣るでしょう。
ポーセレンは歯科用セラミック素材のなかでも極めて高い審美性を持ち、天然の歯と見分けが付きにくくなります。
審美性の高いセラミックのみで作られたオールセラミックの方が、ハイブリッドセラミックよりも審美性では勝っています。
オールセラミックよりも割れやすい
ハイブリッドセラミックは、レジンにセラミック粉末を混ぜて硬度を高めていますが、その硬度はオールセラミック程ではありません。
セラミックのなかでも特に硬度の高いジルコニアに比べると、ハイブリッドセラミックの強度は劣ります。
奥歯は咀嚼で強い力がかかるため、素材選びの際に硬度は重要なポイントです。
二次カリエスの可能性
二次性カリエスとは、1度治療した歯が再びむし歯になってしまうことです。
レジンは固まる際に収縮する性質があるため、歯と詰め物の間にわずかな隙間ができてしまい、そこからむし歯になるケースが少なくありません。
ハイブリッドセラミックもベースはレジンであるため、オールセラミックよりは二次性カリエスのリスクが高いといえるでしょう。
ハイブリッドセラミックの耐久性
ハイブリッドセラミックは、歯の治療後の補修材として一般的に使用されるレジンに、セラミック粉末を混合して強度を高めています。
その強度はレジンに比べて、圧縮強さで1.5倍・曲げ強さで2.3倍といわれており、奥歯での咬合力に十分耐えられる素材です。
極めて硬度の高いジルコニアセラミックに比べれば耐久性は劣りますが、硬すぎないことは噛み合わせの歯に負担をかけないメリットもあります。
ハイブリッドセラミックによる被せ物の寿命は7〜10年といわれており、一般的なセラミックと変わりません。
被せ物の耐久性は、土台となる歯根の状態にも左右されるため、日頃からのデンタルケアに大きく左右されます。
ハイブリッドセラミックの被せ物を長持ちさせるためにも、治療後には定期的に通院して歯科検診を受けましょう。
配信: Medical DOC