妊娠初期に気づかずに花粉症の薬を服用してしまった場合、胎児にリスクはあるのでしょうか。妊婦と花粉症に関する疑問や、妊娠中の花粉症の具体的な対策方法について「手稲クローバー耳鼻咽喉科」の関先生にお聞きしました。
監修医師:
関 伸彦(手稲クローバー耳鼻咽喉科 院長)
札幌医科大学卒業。その後、函館五稜郭病院耳鼻咽喉科、厚別耳鼻咽喉科病院にて勤務、札幌医科大学耳鼻咽喉科助教を務める。2015年、北海道札幌市に「手稲クローバー耳鼻咽喉科」を開院。誰もが気軽に訪ねることができて、適切かつ迅速な処置が受けられるクリニックづくりを心がけている。医学博士。日本耳鼻咽喉科学会専門医・補聴器相談医、日本アレルギー学会専門医。
編集部
もし、まだ妊娠に気づいていない初期の段階で薬を飲んでしまった場合、どうすればいいのでしょうか?
関先生
飲んでしまったものはどうしようもないので、経過観察をするしかないです。ただし、一般的に妊娠初期は薬による胎児への影響は少ないと考えられているため、リスクは低いと思われます。妊娠に気づくか気づかないかといった超初期のころには、気づかずに薬を飲んでしまったということもあり得ますが、この時期のリスクはほぼないと考えていいでしょう。心配であれば、「どの薬をどの期間に飲んだのか」を医師に伝えましょう。
編集部
そのほか、妊婦が花粉症対策としてできることはなんですか?
関先生
妊婦にかかわらず、アレルギー治療の原則は「アレルギー症状を引き起こすアレルゲン(花粉)」に触れないことです。そのため、外出するときにはマスクや眼鏡を着用する、帽子をかぶる、家に帰ってきたらコートを払って花粉を落とすといった、基本的な花粉症対策を徹底して、アレルゲンを遠ざける工夫をしましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
関先生
今回の花粉症に限らず、「何事も自分で判断しない」ということが重要です。多くの妊婦さんは胎児のことを第一に考えるので、医師に「妊娠中でも、この薬は大丈夫ですよ」と言われても、薬を服用することに抵抗がある人も多いと思います。そのような不安も含めて、信頼できる医師に相談することが大切です。また、花粉症については産婦人科だけでなく、耳鼻咽喉科の医師の意見を聞くのがいいでしょう。より、専門性の高い解決策を提示してくれるはずです。
※この記事はメディカルドックにて【「薬の服用はおなかの中の赤ちゃんへの影響が心配…」妊婦さん向けの花粉症対策を紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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