「歯がなくなると、食事が楽しめない…」そんな悩みを抱えている高齢者の方は多いのではないでしょうか。入れ歯は失われた歯の機能を補い、快適な食事や会話を取り戻すための大切なツールです。
しかし、入れ歯が合わなくなったり、違和感があったりするトラブルも少なくありません。
本記事では高齢者の方が入れ歯を入れないとどうなるのかについて、以下の点を中心にご紹介します。
高齢者の方が入れ歯を入れないと起こりうるリスク
入れ歯の使用感に慣れるためにできること
入れ歯の種類について
高齢者の方が入れ歯を入れないとどうなるのかについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
噛むことによる効用
歯を失ったときにまず問題となるのは、うまく噛めなくなることです。噛む動作には心身の健康にさまざまな効用があるとされており、公益財団法人8020推進財団は、ひみこの歯がいーぜという効用の頭文字を取った標語を使用し、以下の8つの効用を訴求しています。
肥満予防
よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎの予防を助けます。
味覚の発達
しっかり噛むことで食べ物の味を十分に感じられ、味覚の発達を助けます。
言葉の発音がはっきり
噛むことでお口の周りの筋肉が鍛えられ、表情の豊かさにつながり、発音も明瞭になるとされています。
脳の発達
咀嚼運動は脳細胞を刺激し、子どもの知育に役立つだけでなく、高齢者の方は認知症予防にも効果が期待できます。
歯の病気を防ぐ
噛むことで唾液の分泌が増え、むし歯や歯周病の予防に役立ちます。
がん予防
唾液に含まれる酵素が発癌物質を消す働きを持ち、がん予防に貢献します。
胃腸の働きを助ける
よく噛むことで消化酵素が分泌され、消化がスムーズになり胃腸の負担が軽減されます。
全身の体力向上と全力投球
噛みしめることで力が湧き、全身の体力向上にもつながります。
8つの効用により、噛むことは単なる食事の一部に留まらず、全身の健康を支える重要な役割を果たしています。
入れ歯の役割
入れ歯は失った歯を補うだけでなく、咀嚼や嚥下、発音といったさまざまな機能をサポートし、生活の質を向上させる重要な役割を果たしています。
まず、入れ歯は咀嚼機能を回復し、食べ物が噛み砕けるようになります。咀嚼機能が改善すると消化酵素の働きにもつながり、消化や栄養吸収がスムーズになるため、誤嚥のリスクを軽減します。
次に、発音や会話の改善も効果が期待できます。歯を失うと発音が不明瞭になりやすいですが、入れ歯を使うことで歯・舌・唇のバランスが整い、明瞭な発音を取り戻せるとされています。
さらに、入れ歯は口腔内の健康維持にも役立ちます。歯がないままだと周囲の歯が移動してしまうケースがありますが、入れ歯はこれを防ぎ、顎の骨の変形も抑えます。
最後に、入れ歯を入れることで自然な笑顔を取り戻し、自信を持てるようになる可能性があるため、精神的な安定も得られるでしょう。
以上のように、入れ歯は単なる歯の代替品ではなく、全体的な健康と幸福感を支える大切な存在です。
配信: Medical DOC