入れ歯がストレスになる原因とは?ストレス解消法も併せて解説!

入れ歯がストレスになる原因とは?ストレス解消法も併せて解説!

入れ歯が合わなかったり、食事がしづらかったりなど、入れ歯による不快感を覚えている方は多いのではないでしょうか。入れ歯は、失われた歯の機能を補う大切なものですが、慣れるまでには時間がかかり、ストレスを感じる方もいます。

本記事では入れ歯がストレスになる原因について以下の点を中心にご紹介します。

入れ歯がストレスに感じる原因

入れ歯のストレスの解消法

ストレスの軽減につながる入れ歯とは

入れ歯がストレスになる原因について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

入れ歯がストレスになる原因

どのようなときに、入れ歯がストレスに感じるのでしょうか。主な原因を以下でご紹介します。

違和感が強い

入れ歯がストレスの原因となる理由の一つは、強い違和感を伴うことです。入れ歯は天然歯とは異なり、人工歯根がありません。そのため、専門的な技術を持つ歯科医が治療を行ったり、高価な自費の入れ歯を製作したとしても、インプラントやブリッジのような固定式の歯と比べると装着時の違和感を感じやすい傾向があります。
なかでも、総入れ歯など広範囲にわたる入れ歯は、口腔内の多くの部分を覆うため、違和感がより顕著になりやすいです。そうした入れ歯の使用に慣れるまではストレスを感じたり、自身の歯のような自然な感覚を得るのが難しいと感じたりする場合があるでしょう。

食べにくい

食べにくさもストレスの原因として挙げられます。入れ歯は、残っている歯や粘膜の吸着によって支えられるため、インプラントやブリッジのような固定式の歯と比べて、噛む力が低下します。
例えば、インプラントでは自身の歯の約70~85%の噛む力を再現できるとされていますが、部分入れ歯では約30~40%、総入れ歯は約10~20%しか噛む力が得られないとされています。
結果的に硬い食品や噛み応えのある食材をしっかりと噛むことが難しくなり、食事中にストレスを感じやすくなるのです。
また、ゴマやみじん切りの野菜など細かい食材が入れ歯と歯茎の間に入り込み、痛みや不快感を引き起こす場合もあります。薄い食材であるわかめやレタスなども噛み切りにくく、食事を楽しむことが難しくなるケースもあるでしょう。

見た目が悪い

見た目の問題も入れ歯のストレスの原因になります。例えば、保険適用の部分入れ歯では、残っている歯に固定するために金属製のバネ(クラスプ)が使用されます。
クラスプは銀色で目立ちやすく、笑ったときや会話中に周りから見える場合があり、審美性を損ねてしまいます。そのため、人前で話したり笑ったりすることに抵抗を感じる方も少なくありません。
保険の総入れ歯の場合は、材質や作りの特性上、話したり食事をする際にずれたり外れたりする場合があり、それが入れ歯であると周囲に気付かれやすくなります。
インプラントやブリッジのような固定式の治療と比べて、入れ歯はどうしても見た目の面で目立ちやすいため、見た目を気にする方にとってはストレスに感じやすい要素でしょう。

痛みがある

痛みもストレスになる主な要因の一つです。新しい入れ歯はまだ歯茎に馴染んでいないため、使用初期には痛みを感じやすくなります。 また、入れ歯を長期間使用すると、口腔内の状態や歯茎の形が変化したり、入れ歯自体が摩耗・劣化するため、フィットしなくなり、噛む際に粘膜と擦れて痛みを引き起こす場合があります。
さらに、入れ歯と歯茎の間に食べ物が入り込み、違和感や痛みが生じるケースもあります。なかでも高齢の方は、顎の骨が痩せて粘膜が薄くなるため、入れ歯による負担で痛みが生じやすいといわれています。

食事の味が落ちる

入れ歯は上顎を覆うため、味を感じる味蕾(みらい)が隠れてしまい、味覚が鈍くなることがあります。その結果、食べ物本来の味を十分に楽しむことが難しくなると、食事が味気なく感じられるでしょう。
なかでも総入れ歯や大きな部分入れ歯の場合、飲食物の温度を感じにくくなる傾向があります。食事は口全体で味わうものですが、入れ歯を装着することでその感覚が制限されてしまうため、以前のような食事の楽しみを感じにくくなり、これがストレスにつながります。

毎日のケアが面倒

固定式のブリッジやインプラントの場合、歯磨きだけでお手入れが完了しますが、入れ歯はそうはいきません。入れ歯は使用後に取り外し、専用のブラシで磨いたり、洗浄剤に浸けるといった手間が必要です。
入れ歯の清掃を怠ると、細菌が繁殖し口臭や感染症のリスクが高まるため、毎日欠かさず丁寧なケアをする必要があります。
このようなケアの工程が毎日の歯磨きに加わるため、時間や手間が増え、入れ歯使用者には日々の生活のなかでストレスを感じる方も少なくはないでしょう。

長期的な使用が難しい

入れ歯は長期間の使用に向いていないことも、ストレスの原因となる場合があります。入れ歯は日常的な使用による摩耗や劣化が起こりやすく、耐久性がほかの治療法に比べて低いといわれています。
個人差はあるためあくまでも目安になりますが、ほかの義歯と寿命を比較すると、入れ歯は約4~5年に対して、ブリッジは約7~8年、インプラントは約10~15年と、入れ歯は短い期間で作り直しが必要となります。
さらに、口腔内の状態が変化すると、入れ歯のフィット感が悪くなり、再調整や新しく作り直す必要が出てくるため、その都度時間や費用がかかります。せっかく慣れてきた入れ歯をまた作り直さなければならないという状況がストレスにつながり、長期的な視点で見ると負担を感じる方もいるでしょう。

合わない入れ歯を使い続けるリスク

合わない入れ歯を使い続けると、さまざまな健康リスクや生活の質の低下を引き起こす可能性があります。主なリスクを以下にご紹介します。

細菌感染
入れ歯が歯茎に合わず、擦れることで粘膜に傷ができると、そこから細菌が侵入しやすくなります。この状態で入れ歯を使い続けると、傷が悪化し、感染症を引き起こすリスクが高まります。
感染が進行すると痛みや膿が生じ、義歯性口内炎などの症状が現れ、不快感が増す可能性もあります。

歯茎や顎の骨の吸収
合わない入れ歯が歯茎に強く当たることで、歯茎やその内部の顎の骨に過度な負担がかかり、骨の吸収が進行する可能性があります。この状態になると歯茎が凹んで見た目が悪くなるだけでなく、顎の骨が痩せることで将来的に入れ歯の適合がさらに悪くなる恐れがあります。

残存歯の寿命が縮まる
入れ歯の不適合によって、周囲の残存歯に負荷がかかると、これらの歯の寿命が縮まってしまいます。適合した入れ歯でも残存歯にある程度の負担はかかりますが、不適合な入れ歯はその負担をさらに増やし、結果的に歯を失うリスクを高めます。

歯茎がやわらかくなる(フラビーガム)
長期間合わない入れ歯を使い続けると、歯茎が刺激を受けてフラビーガムと呼ばれるブヨブヨした状態になる場合があります。フラビーガムになると、入れ歯の適合がさらに悪化し、ますます入れ歯が合わなくなってしまいます。

顎関節症のリスク
合わない入れ歯で無理に食事を続けると、噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節に負担がかかり顎関節症を引き起こす可能性があります。これはお口の開閉時の痛みや異音の原因となり、長期にわたる顎のトラブルへとつながります。

食事や会話の楽しみの喪失
合わない入れ歯による痛みや違和感があると、食事や会話を十分に楽しむことが難しくなります。痛みを避けるために食事を控えたり、人前で話すのをためらったりすることで、社交性が低下し、生活の質に影響を与えます。

以上のように、合わない入れ歯を使い続けると、健康面だけでなく生活に支障をきたす可能性があります。