プロレスラーで文京区議会議員(東京)の西村修さんが、2月28日に亡くなったことが報じられています。西村さんは食道がん(扁平上皮がん)ステージ4であることを公表していました。53歳でした。そこで、食道がんの初期症状・検査・治療法や何科へ受診すべきかなどを、医師の伊藤先生に解説してもらいます。
監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
「食道がん」とは?
食道とはのどと胃の間をつなぐ管状の臓器です。この食道の粘膜の表面からがんができたものが「食道がん」です。食道がんには扁平上皮がんと腺がんの2つの組織型があり、日本では扁平上皮がんが約90%を占めています。日本に多い扁平上皮がんの原因は、飲酒や喫煙です。一方、欧米に多い腺がんの原因としては、逆流性食道炎が挙げられ、肥満や欧米型の食生活や喫煙が関係していると考えられています。今後食生活の変化により、日本でも腺がんが増加するのではないかと考えられています。
食道がんの代表的な症状
食道がんの初期は、自覚症状がないことが多いです。次第に進行すると下記のような症状が出現します。症状をチェックし、早期発見のために注意をしていきましょう。
胸の違和感
飲み物や食べ物を飲み込んだ際に、胸のしみる感じや痛みを感じることがあります。この症状が、食道がんの初期症状であることもあります。その後に症状が消えてしまうこともあるため、一時的な症状であっても胸のしみる感じや痛みがあった場合には、一度消化器内科で胃カメラなどの検査を受けましょう。
食べ物がつまる感じ
食道がんが進行すると、食道が狭くなっていきます。このため、食べ物が飲み込みづらくなり、食事がとれなくなります。食べ物が詰まる感じがある場合には、食道がんの初期の症状の可能性があります。早急に消化器内科を受診しましょう。
配信: Medical DOC