「脳梗塞」は予防できる? 具体的な生活習慣の改善方法や気を付けるべきことを医師に聞く

「脳梗塞」は予防できる? 具体的な生活習慣の改善方法や気を付けるべきことを医師に聞く

脳梗塞の原因は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に起因しています。そのため、予防のためには「バランスの良い食事」「適度な運動」「十分な睡眠」といった基本的な生活習慣が重要です。しかし、薬やサプリメントに頼るだけでは十分ではありません。日々の自己管理が肝心だという理由について「医療法人脳神経外科たかせクリニック」の高瀬先生が解説します。

≫ 脳梗塞の前兆・初期症状はどんなことが起こる? 専門医が解説

編集部

脳梗塞の原因をあまり突き詰めなくてもいいと聞きますが、詳しく教えてください。

高瀬先生

脳梗塞の原因は結局のところ、高血圧、糖尿病、脂質異常症に集約されます。つまり、生活習慣病ですね。ですから、「バランスの良い食事」、「適度な運動」、「十分な睡眠」などが予防のカギとなります。プラスして、喫煙、飲酒、肥満の回避ですね。実際、こうした項目にひっかかっている方ほど脳梗塞を起こしやすいことがハッキリしています。

編集部

薬やサプリメントなどは、予防法として有効でしょうか?

高瀬先生

生活習慣の改善が先にあって、その後に、不足する部分をお薬などで補ってください。よく、「医者からもらった薬をのんでいるから大丈夫」と言う方を見かけますが、全然、大丈夫ではありません。

編集部

どうしてでしょう? 診断に基づいた処方薬ではないのですか?

高瀬先生

脳梗塞リスクを抱えているという自覚が少ないですよね。本来なら、血圧や体重などを日々、自己測定し、コントロールしていくべきです。そうした毎日の積み重ねが“予防の核”なのであって、「薬をのんでいるからなにもしなくていい」というのは大きな誤解です。また、自覚をもっているだけでも、治療の効果が異なってくると思います。

編集部

日々の運動量や食生活には、個人差があると思いますが、どうしたらいいでしょう?

高瀬先生

企業に属している方なら健康診断、自営業や非正規雇用の方なら40歳以上の特定健診を有効活用してください。個人差も含めて、異常値があぶり出されるでしょう。そのうえで、健診結果に基づいた精密検査時に医師のアドバイスを受けるのが現実的です。実情に合った個別のアドバイスを得られるでしょう。

編集部

無料で利用できる「脳梗塞予防アプリ」もあるようです。

高瀬先生

アプリと紐づけられた「心拍数を計測できる腕時計」なども登場していますよね。不整脈は血の塊である「血栓」をつくることがあり、血管の詰まりの一因とされています。心拍数の計測は日々の自己測定に含まれる工夫といえますので、利用してみてください。

編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

高瀬先生

脳梗塞は「特別な病気」にあらず、誰にでも起こりえる疾患です。だからこそ、健康診断のような定期的なチェックが有効ですし、自己管理も求められます。また、「生活習慣病を薬だけで治す」という発想は捨て去って、「なぜ、そうなったのか」という原因を取り除いてください。

監修医師:
高瀬 卓志(脳神経外科たかせクリニック)

大阪医科大学卒業。大阪医科大学脳神経外科助手、北野病院脳神経外科副部長、多根総合病院脳神経外科医長などを歴任後の2008年、大阪府大阪市に「医療法人脳神経外科たかせクリニック」開院。脳の病気の早期発見と治療に努めている。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本頭痛学会認定頭痛専門医、日本認知症学会専門医。大阪医科大学臨床教育教授。

※この記事はメディカルドックにて【突然起こる「脳梗塞」の前兆とは? 予防法についても医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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