腎結核の前兆や初期症状について
腎結核の主な症状は、頻尿や排尿時痛、残尿感、背部痛といった腎泌尿器系の症状のほか、倦怠感や食欲不振など全身的な症状があります。
腎臓への影響が深刻化すると病変部が瘢痕化(はんこんか)し、尿管狭窄(尿管が狭くなる)や萎縮膀胱を来たし、腎機能そのものが障害される可能性があります。
頻尿や排尿時痛、残尿感などの症状は腎結核だけにみられる症状ではないため、これらの症状だけで腎結核かどうかを判断することは困難です。ただし、これらの症状が続く場合はできるだけ早く泌尿器科を受診し、原因を特定することが重要です。
結核に感染した可能性がある人や、結核の治療が十分でない人がこのような症状が出現した場合も早期に医療機関を受診しましょう。
腎結核の検査・診断
腎結核は尿検査をはじめ、胸腹部のX線検査やCT検査などを実施して診断が行われます。必要に応じてIGRA検査という血液検査を行う場合もあります。
腎結核における尿検査では、尿中の結核菌の有無を調べるために尿検体を培養し分析します。
胸腹部のX線検査やCT検査などの画像検査も、腎結核の診断で重要な役割を果たします。とくにCT検査では腎臓内部の小さな病変の発見につながり、病気の進行度を判断する重要な情報が得られます。
血液検査では、IGRA検査という結核菌に対する免疫応答を調べる検査であり、結核感染の診断補助に用いられます。
抗体とは、病原菌やウイルスなどの異物が体内に侵入してきた際に働くもので、抗体の有無を調べることで結核自体に感染しているかどうかを調べられます。
結核菌はゆっくりと増殖する特徴があるため、培養検査の結果が出るまでに時間がかかることもあります。
配信: Medical DOC