認知症検査の方法と重要性|検査から診断の流れについて解説

認知症検査の方法と重要性|検査から診断の流れについて解説

認知症とは、脳の神経細胞の働きが弱まってしまい認知機能が低下している状態です。特に高齢者に多く見られ、高齢化とともに認知症の患者数は増加することが予測されています。誰しもが他人事ではない認知症は、早期発見と早期治療がポイントです。早めに対策するためにも、重要なのは認知症検査です。認知症検査の方法や診断までの流れについて解説しますので、いざというときに慌てないように、認知症や認知症検査について正しく理解しておきましょう。

【3分でわかる!】認知機能低下リスクをチェック!

認知症の概要

認知症とは、さまざまな原因によって脳の神経細胞の働きが徐々に弱まり、認知機能が低下してしまう状態のことです。主な症状としては、記憶障害、見当識障害、理解力や判断力の低下、実行機能の低下などがあります。その他の症状として、妄想、幻覚、徘徊、不安、睡眠障害、暴力などが起きることもあり、生活に支障が出るのが特徴です。

認知症には複数の種類があり、全体の約7割を占めるのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型認知症は、脳に原因物質が蓄積することで発症するもので、ゆっくりと進行していくのが特徴です。また、脳血管障害によって起こる血管性認知症があり、一部の神経細胞に栄養や酸素が行き渡らないことで発症し、記憶障害や運動障害などを引き起こします。このほかにも、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症などがあります。

病気が原因で起きる認知症の場合は、病気を治すことで改善が見込めますが、加齢などが原因の場合は根治治療は難しいです。しかし、早期発見と早期治療を行うことで、症状の進行を遅らせることできるので、疑わしい症状がある場合は早めに検査を受けることが大切です。

認知症検査の重要性

早期に発見することで、症状の改善や進行の抑制にもつながるため、気になる点がある場合は、できるだけ早く検査を受けることをおすすめします。

早期発見のメリット

認知症の種類によっては、早期治療によって症状の改善が見込める場合があります。特に、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下による認知症の場合は、原因となっている病気の治療によって、認知症の改善につながります。アルツハイマー型認知症も、早い段階で治療を行えば、症状の進行を遅らせることできます。

さらに、早期発見は将来に向けた準備が可能になります。必要な生活用品を整えたり、介護保険サービスの利用手続きを検討したりと、認知症を発症すると必要になることはたくさんあります。認知症が進行してから準備するのは大変ですが、早期に発見できれば、患者さん本人の希望を取り入れた備えができます。

検査の相談はかかりつけ医へ

認知症の検査を受ける際には、まずはかかりつけ医に相談するのがよいでしょう。かかりつけ医は、日頃の患者さんの様子や服用している薬、健康状態をよく把握しているため、発症前後の状態を踏まえて診察ができます。かかりつけ医によって、認知症の疑いがあると判断された場合は、必要に応じて専門の診療科を受診し、検査を受けることになります。

認知症の相談ができる診療科とは

もし、かかりつけ医がいない場合などは、認知症に対応している診療科を受診しましょう。一般的には、精神科、心療内科、脳神経内科、脳神経外科、老年科、もの忘れ外来などが対応しています。医療機関によって診療科名が異なる場合がありますので、認知症に対応しているかどうか、事前に確認して受診をしましょう。

また、厚生労働省の認知症施策により、全国に認知症疾患医療センターが設けられています。ここでは認知症に関する専門医療相談や認知症の診断などを行っています。お近くの認知症疾患医療センターに一度相談してみるのもよい方法です。