「5p欠失症候群」を発症した赤ちゃんに起こる症状をご存じですか?【医師監修】

「5p欠失症候群」を発症した赤ちゃんに起こる症状をご存じですか?【医師監修】

5p欠失症候群の前兆や初期症状について

5p欠失症候群の症状は生後すぐからあらわれ始めますが、症状の種類や程度には個人差があります。しかし、多くのケースで体重が2,500g未満の低出生体重児、特徴的な高い泣き声、全身の筋緊張の低下などが見られる傾向にあります。

さらに成長とともに、首のすわり、お座り、歩行などの運動発達の遅れや、言語発達の遅れ、知的発達の遅れが見られます。

外見的な特徴としては、頭が小さく、丸い顔立ちで、目と目の間が広く、目頭の皮膚のひだが目立ち、耳の位置が低く、あごが小さいといった特徴が見られます。外見的な特徴は、思春期から成人期の間でより目立つようになります。

また、哺乳が困難であったり、便秘になりやすかったりすることもあります。心臓疾患や呼吸器感染症、脊柱側弯症、視覚や聴覚の障害をともなうこともあります。

5p欠失症候群は早期発見・早期治療が重要であるため、これらの症状に気づいた場合は、すぐに専門医に相談することが望ましいです。とくに小さな子どもは症状を上手く訴えられないことも多いため、定期的な健康診断や発達検査を受けることが大切です。

5p欠失症候群の検査・診断

特徴的な症状から5p欠失症候群が疑われた場合、確定診断のために血液検査の一種である染色体検査が行われます。染色体検査では、5p欠失症候群の原因となる染色体の異常を確認します。染色体検査により、染色体の欠失の有無だけでなく、どの部分がどの程度失われているのかを詳しく調べることができます。

また、近年では妊娠中に赤ちゃんの染色体の状態を調べることも可能になっています。出生前診断で事前に把握できれば、早い段階から適切な医療や支援の準備を整えることができます。

関連記事: