「膝関節捻挫」の原因・症状をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

「膝関節捻挫」の原因・症状をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

監修医師:
岡田 智彰(医師)

昭和大学医学部卒業。昭和大学医学整形外科学講座入局。救急外傷からプロアスリート診療まで研鑽を積む。2020年より現職。日本専門医機構認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定整形外科指導医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リハビリテーション医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。

膝関節捻挫の概要

膝関節捻挫(ひざかんせつねんざ)は、膝関節の周囲にある靭帯や軟部組織が過剰な力によって損傷を受ける状態を指します。転倒や衝突、スポーツ時の急激な方向転換などの強い外力により捻挫した結果、関節を安定させる役割を果たす膝の靭帯が損傷し、痛み、腫れ、動きの制限、さらには不安定感が生じます。
捻挫の程度は、軽度から中等度、重度まで幅広く、重症度に応じて症状が異なります。軽度では腫れや軽い痛みがあるものの、膝を動かすことは可能です。一方で重度の場合、膝を支える力が失われ、立位や歩行が困難になることがあります。

膝関節捻挫の主な原因として、スポーツ中の怪我が挙げられます。特にサッカーやバスケットボールなどの急激な方向転換やジャンプの着地を伴う競技でリスクが高いです。また、日常生活でも転倒や階段での踏み外しなどが要因となることもあります。

治療は捻挫の重症度に応じて異なりますが、軽度の場合はRICE処置(Rest: 安静、Ice: 冷却、Compression: 圧迫、Elevation: 挙上)が基本です。中等度以上の損傷では、装具による固定やリハビリテーションが必要になることが多く、靭帯が完全に断裂した場合は手術が検討されます。
膝関節捻挫を防ぐためには、運動前のストレッチや筋力強化、適切な運動フォームを維持することが重要です。また、初期症状を放置せず、整形外科を早期受診して適切な診断と治療を受けることが、膝の健康を守るために大切です。

膝関節捻挫の原因

膝関節捻挫は、膝の靭帯が過度に伸ばされたり、一部損傷を受けることで発生します。スポーツや日常生活における急激な動きや外部からの衝撃が原因で引き起こされます。膝関節は人体の中でも重みの負担が大きくかかる関節の一つであり、屈伸や回旋など多様な動作を担うため、捻挫を起こしやすい部位でもあります。

原因の一つとして挙げられるのは、スポーツ中のアクシデントです。特に、サッカーやバスケットボール、スキー、ラグビーなどの激しい運動では、方向転換や急停止、ジャンプ後の着地で膝に過度の力が加わり、捻挫を引き起こすことがあります。また、衝突や転倒により膝が不自然な方向にひねられることでも損傷が発生します。

また、筋力不足や柔軟性の低下も原因です。膝周りの筋肉が弱い場合、膝関節を安定させる力が十分ではなく、捻挫のリスクが高まります。特に、運動不足や加齢による筋力低下には注意が必要です。また、柔軟性が不足していると膝の動きが制限され、突然の動きに対応できず靭帯に過剰な負荷がかかります。

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