「膝関節捻挫」の原因・症状をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

「膝関節捻挫」の原因・症状をご存じですか? なりやすい人の特徴を併せて医師が解説

膝関節捻挫の前兆や初期症状について

膝関節捻挫の前兆や初期症状は、膝に軽度の不安定感や違和感を感じることから始まる場合があります。捻挫とは、関節を支える靭帯が過度に伸びたり、一部が損傷したりする状態を指し、特にスポーツや日常生活での急な動作が原因です。膝関節捻挫の初期段階では、腫れや軽い痛みが現れることが多く、膝を動かしたときに違和感を覚えることがあります。この段階で放置すると症状が悪化し、膝の機能に影響を与える可能性があります。

膝を曲げたり伸ばしたりする際の軽い引っかかり感や、膝がぐらつく感じがする場合も初期症状の一つです。これらの症状は、関節の安定性を維持する靭帯が損傷している兆候であり、見過ごすと完全な断裂や慢性的な不安定性につながることがあります。また、負傷直後は痛みが軽度であっても、時間が経つにつれて腫れが顕著になり、関節内部の炎症が進行することがあります。

膝関節捻挫は早期に対応すれば完全に回復する可能性が高い一方、放置すると長期的な関節不安定性や痛みを引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。特にスポーツをする人や膝に負担がかかる仕事をしている人は、初期症状を見逃さないことが重要です。症状がある場合は整形外科を受診しましょう。

膝関節捻挫の検査・診断

膝関節捻挫の検査・診断は、受傷時の状況を明確にすることから始め、痛みの部位や腫れの程度、動かすときの違和感や不安定感についても確認します。

次に、触診や視診などの評価を行います。腫れや内出血の有無、膝の動きや安定性をチェックします。膝を曲げ伸ばしする際の可動域制限や痛み、膝の周囲の靭帯や腱にあえてストレスをかけながら膝関節を動かすことで、損傷の可能性がある部位を特定します。

膝の靭帯安定性を評価するための代表的な徒手検査は、前十字靭帯の損傷を確認する『前方引き出しテスト』や『ラックマンテスト』、内側側副靭帯や外側側副靭帯の損傷を調べる『外反・内反ストレステスト』などがあります。
さらに、正確な診断を下すためには画像検査が必要です。X線検査では骨折の有無を確認し、MRI検査では軟骨、靭帯、半月板などの軟部組織の損傷を詳細に評価します。MRIは特に、靭帯や半月板の損傷が疑われる場合に有用です。超音波検査は腫れや筋肉の状態を観察するのに用いられることもあります。

膝関節捻挫の診断は、靭帯や軟部組織の損傷を見逃さず、適切な治療方針を立てるために重要です。早期に整形外科を受診することが、適切な治療を受けられる可能性を高めます。

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