1型糖尿病の前兆や初期症状について
1型糖尿病の初期症状は、インスリンが不足し、体内の血糖値が異常に高くなることで現れます。初期症状は突然現れることが多く、特に子どもや若者に発症する場合は急速に悪化することがあります。以下に、主な症状を紹介します。
多尿
血糖値が高くなると、体は余分な糖を尿と一緒に排出しようとします。そのため、頻繁にトイレに行くようになり、多尿の症状が現れます。
喉の渇き
多尿によって体内の水分が不足するため、喉の渇きを感じるようになります。水をたくさん飲んでも、トイレに行く回数が増え、脱水状態になることもあります。
疲労感
インスリンが不足すると、体は糖をエネルギーとして利用できなくなり、代わりに脂肪を燃焼し始めます。この結果、エネルギー不足が起こり、強い疲労感や無気力感が現れます。
体重減少
インスリンが不足することで、体がエネルギー源として脂肪を使い始めるため、急激に体重が減少することがあります。特に、食欲があるにもかかわらず体重が減る場合は注意が必要です。
1型糖尿病の検査・診断
1型糖尿病の診断は、主に血液検査を通じて行われます。初期の症状が現れた場合、早期に医療機関で診断を受けることが重要です。
以下に、主な検査方法を紹介します。
血糖値測定
血糖値の測定は、1型糖尿病の診断において最も基本的な検査です。早朝空腹時の血糖値が126mg/dL以上の場合や、早朝空腹時でないタイミングで200mg/dL以上の場合、糖尿病が疑われます。
HbA1c検査
HbA1cは過去数カ月間の血糖値の平均を示す指標で、糖尿病の診断や管理に使われます。通常、HbA1c値が6.5%以上の場合、糖尿病の可能性が高いとされます。
血中インスリンとCペプチドの測定
1型糖尿病の患者は、インスリンの分泌が低下しているため、血中のインスリンやCペプチド(インスリン分泌の指標)の値が低くなります。これらの検査を行うことで、インスリン分泌の異常が確認されます。
自己抗体検査
自己免疫反応が1型糖尿病の原因の一部であるため、膵臓のβ細胞に対する自己抗体が存在するかどうかを確認するための検査が行われることがあります。特定の自己抗体が確認された場合、1型糖尿病の診断が確定されます。
配信: Medical DOC