「近視が緑内障を引き起こす可能性があるのなら、スマホの使用が関係しているのでは?」という疑問が広がっています。しかし、「西條眼科医院」の水落先生によれば、特に若者においては、近視と緑内障の直接的な関連性は薄いとされています。スマホが視神経にどのような影響を与えるのか、近視との関係性について深掘りしていきます。
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監修医師:
水落 誠(西條眼科医院)
聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医科大学病院入職後、関連病院にて白内障などの手術治療および外来診療に約20年間従事。2020年、東京都豊島区に位置する「西條眼科医院」勤務。患者の身になって考える診察に努めている。日本眼科学会専門医、身体障害者福祉法指定医、難病指定医。
編集部
近視で緑内障になるのなら、やはりスマホが関係していそうですね。
水落先生
どうでしょう。「若者」と限定するなら、やはり、直結はしないと思います。緑内障は通常、中高年の方に起きる病気です。加齢による変化の一形態と言ってもいいのではないでしょうか。
編集部
つまり、緑内障は老化現象だと?
水落先生
視神経の自然死が積み重なった状態だと思ってください。視神経はもともと120万本程度あり、正常な人でも、1年で約5000本程度減少していきます。ただし、100年で50万本減ったとしても、失明には至らない計算です。
編集部
スマホで視神経の自然死が増えることはないのですか?
水落先生
あるとしても、今回の前提は「若者」ですよね。考えられる機序としては、「スマホが原因で近視になる」、「近視の影響で緑内障にかかる」の順番なのですが、どう考えても若者を前提にすると結びつきません。仮に結びついたとしたら、世の中の全ての人間が、緑内障になりかねないです。
編集部
でも、スマホで目が悪くなることは事実ですよね?
水落先生
「目が悪くなる」の意味が「近視」ということなら事実です。また、お子さんの近視が増えていることも確かです。加えて、大人の眼精疲労や、いわゆる「スマホ老眼」なども増えています。
※この記事はメディカルドックにて【若者でもスマホが原因で緑内障になるってウソ? ホント?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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