どれくらい「胃もたれが続くと胃がん」を疑うべき?医師が徹底解説!

どれくらい「胃もたれが続くと胃がん」を疑うべき?医師が徹底解説!

胃がんの初期症状

胃がんになると、胃の痛み・不快感、胃もたれ・胸やけ、食欲不振・体重減少、黒色便などがあらわれるケースがあります。症状が出た際の対処法を、順番に説明します。

胃の痛み・不快感

胃がんで胃の粘膜がダメージを受けると、胃の痛み、不快感の出るケースがあります。まず消化の良い食べ物で様子を見て、症状が何日も続くようなら、消化器内科を受診しましょう。

胃もたれ・胸やけ

胃がんでは、痛みはなく、胃もたれや胸やけが出るケースもあります。食べすぎ・飲みすぎなどの思い当たる症状が無いのに続く場合は、消化器内科を受診しましょう。

食欲不振・体重減少

「なんだか食欲がなくて食べられない」「食欲の無い状態が続き、体重が減った」という場合は、胃の粘膜に何らかの異常が生じている可能性があります。消化器内科を受診しましょう。

黒色便

胃がんによって胃の粘膜から出血すると、血液が胃酸により酸化され黒い便が出る場合があります。
鉄剤を服用していると便が黒くなるケースはありますが、特に薬を飲んでいないのに黒い便が出る場合は、胃潰瘍もしくは胃がんの可能性を疑います。速やかに消化器内科を受診しましょう。

胃がんになりやすい人の特徴

​​胃がんになりやすい人には、いくつかの特徴があります。多く当てはまる人は、ぜひ胃がん検診をおすすめします。

ピロリ菌に感染している

「ピロリ菌」という細菌に感染している人は、胃がんになりやすいことが分かっています。具体的には、ピロリ菌に感染している人は通常の人よりも胃がんに5倍なりやすいという研究報告もあります。
ピロリ菌はもともと土壌にいる細菌で、以下の方法で感染すると考えられています。

・汚染された井戸水を飲んだ
・感染している人と食べ物を口移ししたり食器を共有したりした

5歳頃までに感染するケースが多く、一度感染するとピロリ菌は除菌されるまで胃の粘膜に生息し続けます。
ピロリ菌は胃の粘膜を攻撃し続け、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんのリスクになるといわれています。

胃がんになりやすい食生活を送っている

胃がんは、以下のような食生活によってリスクが高まるといわれています。
・塩分が多い
・野菜や果物の摂取量が少ない
脂肪が少ないため、「日本型食生活は健康にいい」と言われがちですが、塩分が多いため胃がんに関してはリスクとなります。以下のような食べ物は塩分が多いため、食べすぎは控えましょう。
・漬物
・塩辛
・味噌汁
・塩蔵魚卵

また、お酒を多く飲む人も、胃がんのリスクは高まります。

喫煙習慣がある

たばこの煙には、DNAを傷つけてがんになる可能性を高める物質が多く含まれています。そのため、たばこを吸う人は、たばこを吸わない人に比べて2倍胃がんになりやすいという報告があります。

また、たばこを吸う本数が多い、長く吸っている人ほどリスクは高いです。

家族に胃がんになった人がいる

家族に胃がんになった人がいる人は、胃がんになりやすいといわれています。具体的には、家族に胃がんになった人がいる(「家族歴」といいます)人はいない人よりも、リスクが1.44倍高いという報告があります。

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