緊急避妊ピル(アフターピル)のタイムリミットは? 副作用はあるの?【医師解説】

緊急避妊ピル(アフターピル)のタイムリミットは? 副作用はあるの?【医師解説】

緊急避妊ピルは、避妊に失敗した場合や避妊を行わなかった場合に、妊娠を防ぐための緊急手段として使用される薬です。しかし、服用するタイミングや効果、副作用について十分に理解していない方も多いのではないでしょうか。そこで、緊急避妊ピルの基本的な知識や注意点について、ショコラウィメンズクリニックの木崎先生に解説してもらいました。

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監修医師:
木崎 尚子(ショコラウィメンズクリニック)

東京女子医科大学卒業。川崎市立井田病院・川崎病院で初期研修。東京女子医科大学病院産婦人科、国際親善総合病院産婦人科、湘南藤沢徳洲会病院産婦人科、茅ヶ崎徳洲会病院産婦人科などを経て、2021年10月、横浜市都筑区にショコラウィメンズクリニックを開院。古くから薬能があるとされ、また、人を癒やしたりリラックスしたりする効果があるとされるチョコレートのように、ほっとできる空間を提供したいとの思いから、「ショコラウィメンズクリニック」と命名。

緊急避妊ピルについて教えて!

編集部

緊急避妊ピルとは何ですか?

木崎先生

緊急避妊ピルは、妊娠を望んでいないのにも関わらず避妊を行わなかった場合や、避妊に失敗した可能性のある場合などに、妊娠を防ぐために使用する薬です。性交後72時間以内に服用するのが原則となっており、「アフターピル」とも呼ばれます。

編集部

72時間以内ということは、3日以内に服用すれば良いのですね。

木崎先生

そうなのですが、72時間というのはあくまでもそこがタイムリミットという意味です。避妊効果は時間の経過とともに低下しますので、可能な限り早く服用することが推奨されます。

編集部

緊急避妊ピルの効果はどれくらいですか?

木崎先生

現在、日本で主に用いられている緊急避妊薬は「レボノルゲストレル」と「プラノバール」(※)の2種類があり、服用方法や効果も異なります。いずれも、性交後の服用タイミングによって効果は異なりますが、早く服用するほど効果が高まり、24時間以内に服用した場合は9割以上の避妊効果があるとされています。しかしながら、レボノルゲストレルのほうが内服も1回で良いことに加え、効果も副作用も少ないため、こちらが推奨されています。いずれにしても、完全に妊娠を防げるわけではありません。

※ヤッペ法という方法で、プラノバール2錠を12時間ごとに2回[計4錠]飲む

緊急避妊ピルはどこで入手できる? 副作用も気になる

編集部

どうして薬で避妊できるのですか?

木崎先生

例えばレボノルゲストレルには、排卵を抑制したり、着床を防いだりする作用があるからです。

編集部

緊急避妊ピルはどこで入手できますか?

木崎先生

医療機関で処方してもらいます。最近は一部の薬局でも購入できるようになっていますので、調べてみても良いかもしれません。どちらの場合も、譲渡などを防ぐためや、吐いてしまうと効果がなくなるため、その場で服用するのが原則となっています。インターネットでの個人購入もできなくはないですが、偽物もありますし、届くまでに時間がかかってしまうので、あまりお勧めしません。

編集部

副作用などはありますか?

木崎先生

稀に、一時的な吐き気や頭痛、めまい、倦怠感などが現れることがあります。副作用についても、レボノルゲストレルだとほとんど見られないのですが、プラノバールはレボノルゲストレルと比べて頻度も高く、症状も強く出ます。

編集部

ピルを服用後、避妊がうまくいったかどうかは分かりますか?

木崎先生

服用後数日~1週間、どんなに遅くても21日以内には、「消退出血」と呼ばれる出血があります。出血がみられない場合は妊娠している可能性がありますので、速やかに妊娠検査薬を試すか、医療機関を受診してください。

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