糖尿病の初期症状は、自分では気づきにくいことが多いですが、「喉の渇き」や「尿の量が増える」といった変化がサインになることもあります。「糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック」の武井先生に、糖尿病の自覚症状や受診のタイミングについて伺いました。
≫ 糖尿病の初期症状や自覚症状は?糖尿病の分類・合併症・予防のための対策について解説
編集部
糖尿病の自覚症状について知っておきたいです。
武井先生
本来なら、ご自分で判断するのではなく、専門家に任せたいところです。ですが、受診を早めるきっかけとして、ほかの自覚症状にも触れていきましょう。まず、典型的な糖尿病の自覚症状は「喉の渇き」です。「水分を追うように飲みたくなる」などとも表現されます。
編集部
血中の糖の量が多くなるから、水で薄めたくなるということですか?
武井先生
それもありますが、多過ぎる血糖を体外へ出そうとして尿が多くなり、その結果として「喉が渇く」場合もあります。つまり、両方ですね。ですから、「喉の渇き」と同時に「多尿」も糖尿病のサインになります。
編集部
尿が泡立っていなくても糖尿病の可能性はあると?
武井先生
可能性はあります。加えて、食事量は以前と変わらないにもかかわらず「体重の増減」がみられたとしたら、さらに疑わしくなってきます。体内の血糖が有効に使われず尿で排出されると、脂肪を燃やしてエネルギー源にするしかありません。もし心当たりがあるようなら、一度、血糖値を調べておきたいですよね。具体的には、空腹時の血糖値が「126」を超えたら、糖尿病の疑いがかなり高くなってきます。
編集部
しかし、「単なる寝不足やストレス」による尿泡だったら恥ずかしいです。
武井先生
むしろ「そのことがわかって良かった」とポジティブに捉えましょう。糖尿病ではなかったことが判明しただけでも、十分な受診動機になります。病気の有無に限らず、「お悩みを解決する場」として医療機関を有効活用してみてください。異常がないという除外診断も安心材料になりますよね。
監修医師:
武井 真大(糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック)
信州大学医学部医学科卒業、信州大学大学院医学系研究科修了。その後、信州大学医学部附属病院などで生活習慣病に特化した診療を積む。2020年、群馬県伊勢崎市に「糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック」開院。医学博士。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医・評議員、日本糖尿病学会糖尿病専門医・研修指導医、日本動脈硬化学会動脈硬化専門医・指導医、日本高血圧学会高血圧専門医ほか。
※この記事はメディカルドックにて【「尿の泡立ちが気になる…」これって糖尿病のサインなの!?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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