乳がん検診で「要精密検査」と指摘されたら誰でもドキッとするもの。一体、乳がん検診後の精密検査ではどのようなことを行うのでしょうか?乳がん検診の精密検査・再検査の内容と再受診のタイミングについて柏の葉ブレストクリニックの森島先生にお聞きしました。
編集部
乳がん検診で「要精密検査」となるのは、どのようなときですか?
森島先生
マンモグラフィでは、画像を読影した結果を5段階で評価します。カテゴリー1が「異常なし」、2が「良性」、3が「良性。しかし悪性を否定できない」、4が「がんの疑い」、5が「がん」というものです。カテゴリー3以上と判定されれば「要精密検査」の対象となります。
編集部
超音波検査ではどうですか?
森島先生
超音波検査でも所見に対してカテゴリー判定を行い、カテゴリー3以上は「要精密検査」の対象となります。
編集部
「要精密検査」となると、ドキッとします。
森島先生
ほとんどの方がそういう感覚になると思います。しかし、実際は乳がん検診の結果「要精密検査」となったとしても、良性であったり、経過観察になったりするケースが大半です。必ずしもがんとは限らないので、あまり不安になりすぎず、落ち着いて精密検査を受けるようにしましょう。
編集部
精密検査を受けるには、どこを受診すれば良いのですか?
森島先生
なるべく早めに、乳腺科、乳腺外科、乳腺外来など乳腺専門の診療科を標榜している医療機関を受診してください。その際、所見の書かれた結果用紙に加えて検診時の画像データを持参することが重要です。
編集部
検診の結果も持参するのですか?
森島先生
はい。結果用紙の内容から解決できることもありますが、マンモグラフィや超音波検査の画像があるとスムーズ、かつ正確に検査を進められます。もしそれらの画像データがなければ再度検査を行わなければならないこともありますから、「要精密検査」と指示された場合にはあわてず、必要な書類やデータを準備してから医療機関を受診してほしいと思います。
編集部
精密検査は保険が適用になるのですか?
森島先生
はい、乳がん検診を受けたあとの精密検査は、保険診療になります。費用は行う検査によって異なりますが、1~3割の自己負担で受けられます。
監修医師:
森島 勇(柏の葉ブレストクリニック)
1989年3月筑波大学医学群卒業。筑波大学附属病院、北茨城市立総合病院(現:北茨城市民病院)、きぬ医師会病院、筑波メディカルセンター病院・茨城県地域がんセンターなどを経て現職。日本乳癌学会乳腺専門医・指導医、日本超音波医学会超音波専門医・指導医、日本外科学会外科専門医。
※この記事はMedical DOCにて<【医師解説】乳がん検診で「要精密検査」といわれた…どんな検査をするの?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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