「心臓がドキドキして落ち着かない」「体重が急に減った」そんな症状が続いていませんか? もしかすると、バセドウ病かもしれません。バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、新陳代謝が活発になり、さまざまな体調不良を引き起こす病気です。バセドウ病の特徴や症状について「小山内科」の小山先生に伺いました。
≫ 「バセドウ病と橋本病」の初期症状とは? 見逃しやすいサインを医師が解説
編集部
日ごろから「喉の腫れ」や「心臓のドキドキ感」が続いているのですが?
小山先生
くわしく調べてみないとわかりませんが、体重の減少に加えて、眼球がいつもより飛び出しているようなら、「バセドウ病」かもしれません。
編集部
「バセドウ病」とは何ですか?
小山先生
首の部分にある甲状腺から過剰なホルモンが分泌され、体調を崩してしまう病気です。ホルモンは体の新陳代謝を促しますから、「過剰」に分泌されると、激しい運動をした後のように心臓がドキドキします。発症率は数百人に1人程度で、自己免疫異常が原因とされています。
編集部
主な症状にはどのようなものがあるのでしょう?
小山先生
喉にある甲状腺の腫れ、眼球が飛び出してくる、脈拍の上昇が典型的な三症状です。ほか、大きな舞台で緊張したときのような自覚症状を伴います。具体的には、発汗、手の震え、息切れ、うわずった感じ、そして代謝が上がったことによる体重の減少などです。
編集部
眼球が飛び出してくるのはどうしてなんでしょう?
小山先生
ホルモンの影響で「目の後ろにある組織」が肥大し、眼球を押し出してくるからです。目が飛び出してくる症状は、バセドウ病のほかの症状と独立しているようです。全く起こらなかったり、ホルモンの状態が落ち着いても症状として残ったりします。
編集部
ひとつの症状に特化していないのでしょうか?
小山先生
人によってさまざまです。ただし、日によって違うということはありません。固定した症状が繰り返されます。
監修医師:
小山 朝一(小山内科)
東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター佐倉病院にて研修を開始、助教・講師などを経た2016年、父から診療所を継ぎ、千葉県千葉市の「小山内科」院長に就任。「内分泌・代謝疾患」を専門としながらも、地域に根ざしたホームドクターとして、総合的な診療に努めている。医学博士。日本糖尿病学会、日本甲状腺学会、日本肥満症治療学会ほか、各学会所属。
※この記事はメディカルドックにて【自然に痩せてきても喜べない? 動悸やほてり が伴ったら、バセドウ病を疑うべし!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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