「離断性骨軟骨炎」になりやすい人の特徴をご存じですか? 予防法を併せて医師が解説

「離断性骨軟骨炎」になりやすい人の特徴をご存じですか? 予防法を併せて医師が解説

離断性骨軟骨炎の治療

治療は年齢、症状の重さ、損傷の大きさや安定性などによって異なります。

保存療法(手術を行わない治療)
1.活動制限

スポーツや関節に負担をかける動作を避け、自宅で安静を保つことで自然治癒を促します。損傷の程度により安静期間は異なります。そして復帰後に徐々に活動量を増加させていく必要があります。

2.理学療法

周辺筋肉を鍛える運動とともに柔軟性向上トレーニングも行います。痛みが軽減した後には可動域訓練も開始されます。

3.薬物療法

痛みや炎症を抑えるため、消炎鎮痛のための内服や湿布などが用いられます。

4.装具使用

必要に応じてサポーターやギブスなどで安定化させます。また、この期間中にはリハビリテーションプログラムも並行して行われます。

手術療法

保存療法で改善が見られない場合や重度の場合は手術が検討されます。

関節鏡手術

緩んだ骨片を取り除くか固定する処置です。この方法では傷口が小さく回復も早いため早期リハビリテーションへ移行できます。

微小骨折法

損傷部位への小さな穴を開けることによって血流促進と新しい軟骨再生を促します。この方法では通常数ヶ月かかります。

自家骨移植手術

自分自身の別の部位から採取した傷がついていない骨・軟骨片を損傷部位へ移植します。この方法は特に重度の場合に選択されます。

手術後はリハビリテーションプログラムによって徐々に運動機能回復へ向けた訓練も行われます。

離断性骨軟骨炎になりやすい人・予防の方法

離断性骨軟骨炎になりやすい人

以下のような人は離断性骨軟骨炎のリスクが高いため注意が必要です。

成長期の子どもや若者
特に10代後半から20代前半のスポーツ活動が活発な世代に多く見られます。この時期は骨や軟骨が成長途中であり柔らかいため、負荷に対する耐性が低いといわれています。

スポーツ選手
野球、バスケットボール、サッカーなど、高負荷の動作を繰り返すスポーツを行う選手はリスクが高いでしょう。特に投球動作が多い野球選手に多く見られます。

過去に関節を痛めた人
以前に関節の外傷や負傷を経験した人は、その部位に再度負担がかかることで離断性骨軟骨炎を発症しやすくなります。

不適切なトレーニングを行っている人
正しいフォームや技術を学ばずに運動を続けると関節に過度な負担をかけることがあります。

離断性骨軟骨炎を予防する方法

以下の対策を講じることで、離断性骨軟骨炎のリスクを軽減し、健康な関節を維持できます。

1.正しいトレーニング方法
適切なフォームを身につけ、関節に過度な負担をかけないように注意しましょう。

2.筋力トレーニング
関節を支える筋肉を強化し、安定性を高めます。

3.休息と回復期間の確保
無理をせず十分な休養をとることで、関節への負担を軽減することができます。

4.定期的な健康チェック
スポーツ選手、とくに子どもの選手は、関節の健康状態を定期的に体調をチェックし、地域のスポーツ検診などを受診しましょう。

関連する病気

オスグッド・シュラッター病

膝関節の半月板損傷

関節軟骨損傷

参考文献

離断性骨軟骨炎

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