肺がんの自覚症状とは?肺がんの初期症状・末期症状・なりやすい人の特徴・検査法・治療法について医師が徹底解説!
≫「肺がん」を発症すると「痛みを感じる場所(部位)」はご存知ですか?【医師監修】
監修医師:
羽田 裕司(医師)
(名古屋市立大学医学部附属西部医療センター呼吸器外科部長/教授(診療担当))
名古屋市立大学医学部卒業。聖隷三方原病院呼吸器センター外科医長、名古屋市立大学呼吸器外科講師などを歴任し、2019年より現職。肺がんを始めとした呼吸器疾患に対する外科治療だけでなく、肺がんの術前術後の抗がん剤治療など全身化学療法も行う。医学博士。外科学会指導医/専門医、呼吸器外科学会専門医、呼吸器内視鏡学会指導医/専門医、呼吸器学会専門医。
「肺がん」とは?
肺がんとは、肺胞や気管支の細胞から発生するがんです。日本でも肺がんの罹患率・死亡率は高く、2023年のデータでは日本人のがん死亡原因の第1位となっています。
この記事では、肺がんの自覚症状について詳しく解説します。
肺がんの自覚症状
肺がんは、早期の段階では症状が出ない場合も多いです。
肺がんの自覚症状は、がんが肺やその周囲に浸潤するために起こるものと、他の臓器などへの転移が原因となるものに分けられます。
咳
咳は、肺がんの症状としてよくみられます。肺がん患者の50〜75%の方の診察時に認められたという報告もあります。特に、扁平上皮がんや小細胞がんというタイプでは太い気道を侵す傾向があるため、これらのがんの方では咳が頻繁に見られます。
現在、あるいは過去に喫煙をしていた方で、長引く咳が見られる場合には特に注意が必要です。早めに呼吸器内科を受診しましょう。
血痰
肺がんによって、痰に血が混じる(血痰)の症状が出ることがあります。
しかし、この症状は気管支炎などの他の病気の場合も多いです。
いずれにしても、血痰があった場合、胸部レントゲンなどの検査が望ましいと考えられます。呼吸器内科を受診しましょう。
胸痛
胸痛も、肺がんの症状としてよくみられるものです。肺がんの方の約20〜40%で胸痛がみられたという報告もあります。
特に、若い方で多く見られるようです。肺がんによる胸痛は、鈍く、うずくような痛みが典型的とされています。
肺がんが肺を包む胸膜や胸壁に、または左右の肺の間に存在する縦隔に浸潤することで起こります。しかし、この症状があるからといって必ずしも手術が不可能になるとは限りません。
胸痛の原因には、他にも筋肉や骨格の問題や、心臓の病気などいろいろなものがあります。
胸痛が続く場合には、一般内科あるいは呼吸器内科などを受診するようにしましょう。
配信: Medical DOC