妊娠・出産の際に「帝王切開になる可能性がある」と言われると、不安を感じる方はたくさんいらっしゃいます。ですが、帝王切開についての正しい知識を持っていれば、安心して出産に臨むことができます。そこで今回は、予定帝王切開と言われた場合の費用や気をつけることついて、大高 究先生(大高医院 院長)にお話を伺いました。
監修医師:
大高 究(大高医院)
昭和58年 東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大森病院や東邦大学医療センター佐倉病院 産婦人科にて経験を積んだのち、現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、母体保護法指定医師。
編集部
退院までの流れは、帝王切開と普通分娩で異なるのですか?
大高先生
少し異なりますね。当院では通常、帝王切開の方は術後4日目に沐浴指導・退院指導を行い、術後5日目に退院時診察、6日目の朝に退院となります。普通分娩の場合は分娩2日目に沐浴指導を行い、4日目に退院というのが目安です。
編集部
費用も普通分娩と帝王切開で異なるのでしょうか?
大高先生
そうですね。普通分娩と異なり、帝王切開の場合は保険が適用されます。分娩費用のほかにも入院費などがかかりますので、トータルの入院費用としては、個室かどうかやそれぞれの医院・産院によってかなり幅があります。
編集部
予定帝王切開と言われたら、気をつけておくことや意識しておくことはありますか?
大高先生
帝王切開が決まったら、当日までは極力安静にしていてください。「臨月は出来るだけ散歩を」などと言われますが、これは普通分娩の場合です。無理に動くことで、予定日前に陣痛が来てしまったり破水したりすると緊急手術になってしまうので、自宅でゆったりと過ごしましょう。もし陣痛らしきものが感じられたり、破水や出血があったりした場合はすぐに連絡をしてください。
編集部
あらためて、どのように帝王切開と向き合えばいいですか?
大高先生
「帝王切開になりますね」とお伝えすると、落ち込む妊婦さんが多くいらっしゃいます。「私は自然分娩できなかった」とネガティブに捉えたり、自分を責めたりしてしまう人がいらっしゃいますが、お産の方法に優劣はありません。どんな方法にも、それぞれリスクがありメリットがあります。最近メディアでも取り上げられている「無痛分娩」にも同じことが言えますが、それぞれのリスクとメリットをきちんと理解したうえで、ご自身が納得できるお産をしましょう。
※この記事はMedical DOCにて<「帝王切開」でお産予定になったら 入院から退院までの流れは? 保険適用になる?【医師監修】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
関連記事:
