「青年性扁平疣贅」の初期症状をご存じですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

「青年性扁平疣贅」の初期症状をご存じですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

監修医師:
高藤 円香(医師)

防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

青年性扁平疣贅の概要

青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)は、顔や手に発生する、表面がなめらかで扁平な皮膚のできものです。青年期の女性に多く発症します。
「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい:一般的ないぼ)」の一種とされ、ヒトパピローマウイルスの感染によって引き起こされます。

見た目の特徴として、黄褐色、ピンク色、肌色などの小さな盛り上がりが複数あらわれ、表面は平らで光沢があります。顔面や手の甲によく見られますが、男性ではひげが生える部位、女性では脚などにも見られます。

青年性扁平疣贅の治療では薬物療法などが行われますが、難渋することが多く、治療によっては傷跡が残る可能性があります。

また、感染を予防するためには、皮膚を傷つけないようにすることが大切です。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある場合は感染しやすく、症状が重くなる傾向があるため注意が必要です。

青年性扁平疣贅の原因

青年性扁平疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。ヒトパピローマウイルスには100種類以上の種類がありますが、このうち主にHPV-3型と10型が青年性扁平疣贅の原因となります。

ヒトパピローマウイルスは、傷のある皮膚や粘膜から感染します。感染経路は主に直接的もしくは間接的な接触です。感染している人と皮膚が直接接触したり、感染部位をかきむしったりすることで、感染が広がります。また、タオルや衣類などの共用によっても感染することがあります。

ヒトパピローマウイルスウイルスが皮膚の細胞に入り込んで数ヶ月潜伏した後、表皮の細胞を増殖させることで、いぼとして目に見える症状を引き起こします。

アトピー性皮膚炎などですでに皮膚が傷ついている場合や、免疫力が低下している場合はとくに感染しやすく、症状が重くなる傾向があります。また、プールや公共浴場なども感染リスクを高める要因の一つです。

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